表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
ラミアプリンセスは配信者  作者: 未羊


この作品ページにはなろうチアーズプログラム参加に伴う広告が設置されています。詳細はこちら

108/129

SCENE107 やれやれだな

 いきなり瞬から電話がかかってきた。なんでも、探索者の護衛を頼みたいということだった。

 まったく、瞬のやつは何を言い出してきたんだと思ったよ。

 瞬の頼みは無下に断れないから、私はダンジョンまで行ったさ。

 出てきた連中の顔を見て、私は驚いたね。


「なんだ。誰かと思えばパラダイスの連中か。お前たちを守れとは、瞬のやつも変わったお願いをしてきたものだな」


 ダンジョンから離れたところで私が声をかけると、この三人は怯えたように震えていた。

 パラダイスの連中にしてはずいぶんと変わった反応を見せるな。


「何を怯えている。パラダイスに所属しているのなら、私のことはあまり怖がらないはずだが?」


 ぎろりと睨むような目を向けると、こいつらは完全に震え上がっていた。


「お、俺たちはパラダイスっていう名前だけを見て入ったんですよ。そこそこ知名度のあるギルドだからってことで」


「わ、悪いところとは知らなかったんですよ」


「それに、このダンジョンの中で管理局の人にお願いして、書類上の脱退処理とギルド新設の申請をしてきました」


「ほう、それはそれは……」


 三人は私を怖がりながらも、弁明をしてきたな。

 そういえば、さっき瞬に見送られて出てきたな。ということは、こいつらが悪くない連中なのは事実なんだろうな。


「俺たちはウィンクちゃんの配信を見ているファンなんです。だから、さすがに迷惑はかけられないと思いましたから……その……」


「分かった。お前たちの言い分は信じよう。だが、これからは大変だろうな。パラダイスの連中はしつこいからな」


「ひ、ひぃっ!」


 パラダイスというギルドの事実を告げると、三人ともが震え上がっていた。本当に知らないで入ったようだな。

 さっきから名前を出しているパラダイスってギルドは、本当にシャレにならない連中だ。なにせやつらが入ったダンジョンではほぼ確実に死亡事故が起きている。

 証言が取れないために確証はないのだが、探索者の間ではMPKモンスター・プレイヤー・キラーじゃないかって話が出ているくらいだ。

 そもそも、パラダイスを設立したギルドマスターからしてとんでもないやつだ。昔は暴走族だったらしいしな。自分が正義っていうところがある。

 なんで野放しになってるかっていうと、私よりは下だが、そいつも探索者ランキングでは上位にいるからだ。海外でも活躍してるしな。つまり、探索者として優秀だから見逃してもらっているってやつなんだよ。

 そのせいであいつらときたら、増長してしてしまっている。正直言って、管理局にも早く対処してもらいたいものだな。

 だが、これは思ってもない機会だな。この三人をバラダイスの連中が狙ってくれば、それを起点に潰せるかもしれない。とりあえずは無事に家まで帰すことかな。


「とりあえず、家に帰るまで私から離れるなよ」


「は、はいっ!」


 やれやれとは思うが、私は三人を家まで送り届けることになった。

 パラダイスの所属ってことは、この三人もあの辺りに住んでいるんだろうかな。


「よし、家に送るのはやめておこう」


「えっ?」


 私は予定変更をすることにした。私たち百鬼夜行の下で一時的に保護し、彼らの実家などを管理局に見張らせることにしよう。襲撃するようだったら、そこで捕まえればいいわけだしな。


「どうしてですか?」


「なあに、パラダイスの連中のことは、探索者の間でもかなり迷惑に思っているってことだ。MPKの疑いがあるギルドなんざ、日本中を探してもパラダイスだけだからな」


「な、なるほど……」


「そ、それじゃどこに向かわれるですか?」


 唯一の女性が私に尋ねてくる。


「私のギルド、百鬼夜行で一時的に保護をする。お前たちの家は管理局と警察が組んで一時的に警備にあたらせてもらう。パラダイスのやつらが抜けたことを知れば、間違いなく何かしら危害を加えてくるだろうからな」


「ひぃ……」


 さすがにちょっと怖がらせすぎてしまったかな。どう見ても二十歳を超えている、私よりも年上な連中なんだがな。

 まあ、いくつになっても怖いものは怖いからな。しょうがないか。


「で、新しいギルド名は決めてあるのか?」


「仮ではありますけれど、『ウィンクちゃんを愛でる会』としました」


「うん、さっさと変更しろ」


「そ、そんな!」


 おとなしそうな男が気持ち悪いことを言うので、私は速攻却下してやった。そんなふざけた名前が許されると思うな。

 私以外に瞬を愛でようなどという考えを持たせるわけにはいかない。


「やっぱりそうですよね。独占はよろしくないですよね。あれだけファンがいるわけですから……」


「うう、分かりましたよ。落ち着いたら考えます」


 三人はギルド名の変更に素直に応じてくれるようだ。

 うんうん、瞬は誰のものでもないからな。


「まあ、君たちが瞬のことを愛でてくれることは歓迎しよう。今日は百鬼夜行の事務所で一緒に過ごそうじゃないか」


「は、はい……」


 なんだ、なぜ怯えているのだ。私がこんなににこにことしているのな。

 まったく、けしからん話だな。

 この三人の態度にはちょっと気に食わないところがあるが、瞬と約束した以上は無事を保証しよう。

 瞬のダンジョンから車を走らせること二時間、私は無事に百鬼夜行のギルド本部へと到着した。

 剛力さんに事情を説明するために、私は三人を中へと連れて入っていった。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ