第3話 スポットライトはドライバーたちへ
エントリーから1週間。俺たちはVR空間の中のある会場にいた。ついにここでチームお披露目と使用マシンが発表される。俺たちーー三人に限らず参加者全員ーーは非常に静かな興奮を胸に開始の時を迎えた。
まずは主催者からの挨拶があった。司会のアナウンスに従って1人の男性が参加者たちが座っているエリアの前方にあるスペースの真ん中へとやってきた。
このゲームの企画者らしい。
『皆さん、今回はどうも、サーズ主催のVirtualGTへの参戦ありがとうございます。
今日は世界で歴史的な日の1つです。100年前後の時を経てガソリン車が復活です!皆さんはその第一人者としてこの場にいます。そんなみなさんがどのマシンをどんなデザインにし、ここに各チームの一員として立つのかをとても楽しみにしています』
うん、仰々しい。
そしてお待ちかねのチームが発表されたのだが各チームの紹介があるが長いし司会の読み上げがうるさいので割愛する。順にまとめると下記のようになる(覚えきらなくてもOK)
・カーナンバー15、チーム名:ブルーホーク マシン:LC500
ドライバー:石田智洋/仲島大呉
・カーナンバー26、チーム名:タキオン マシン:NSX-GT
ドライバー:佐藤春樹/佐藤大輝
・カーナンバー71、チーム名:NTT マシン:LC500
ドライバー:足立琉真/吉葉桜
・カーナンバー72、チーム名:楽天 マシン:LC500
ドライバー:清水雄太/佐倉太郎
・カーナンバー105、チーム名:クイーン マシン:Z
ドライバー:高田望美/高島由衣
・カーナンバー115、チーム名:モジューロ マシン:NSX-GT
ドライバー:山口悟/井出由菜
・カーナンバー123、チーム名:ザ・ファウスト マシン:Z
ドライバー:有馬智樹/平井友希
・カーナンバー153、チーム名:VRレーシング マシン:Z
ドライバー:寺田遥斗/中川昇
・カーナンバー156、チーム名:チーム無双 マシン:NSX-typeS
ドライバー:小林春香/三浦百合
・カーナンバー161、チーム名:マザー空力 マシン:NSX-typeS
ドライバー:加藤凛/山本千尋
・カーナンバー203、チーム名:KON マシン:GT-RNISMO
ドライバー:川口創一/岡田大祐
・カーナンバー303、チーム名:ダッシュ マシン:NSX-typeS
ドライバー:長田彩乃/土井渚
・カーナンバー315、チーム名:アミューズメント マシン:GRスープラ
ドライバー:山下信弘/田中厚志
・カーナンバー318、チーム名:イン・ウィダー マシン:NSX-typeS
ドライバー:高岡圭史/中谷芽衣
・カーナンバー324、チーム名:ファースター マシン:GRスープラ
ドライバー:小川俊治/高宮拓海
計15チームのお披露目を持って解散されたが自分たち出番のときの周りの反応はGT-Rというのがあったのか少し小馬鹿にした雰囲気だった。司会も優勝やチャンピオン争いが楽しみだと言ってはいたがその時彼が述べ上げた車種にGT-Rは含まれなかった。
悔しかった。
「絶対良いマシンに仕立てような」
「ドライバーをしてもらうからには徹底的に仕込んでやるからな。覚悟しとけ」
うなだれる俺に正宏と大祐はそう声をかけてくれた。口には出さないが彼らの配慮に感謝しつつ翌日の公式練習に向けて体を休めることにした。