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プロローグ

プロローグに残酷な描写が軽く描かれています。

苦手な方はご注意下さい。

また、プロローグ以降にも残酷な描写がたびたび入るかもしれません。

 人が眠りにつく深夜に事件は起きた。

 街の離れに隠れるようにひっそりと佇んでいる屋敷がある。その屋敷の倉庫に突然小さな火が灯り、そして一瞬で屋敷を包み込んだ。

 燃え上がる廊下を一人の従者が走り抜け、ノックもせずに主人の部屋に入るなり叫んだ。


「ご主人様、原因不明の火事が起こりました! 現在消化中ですが鎮火する気配がありません! お逃げ下さい!」


 部屋に居た贅肉がたっぷりと付いた男が従者の方へと歩みながら言った。


「そんな事は分かっている。だが、女達はどうする? 今日買い占めたばかりだぞ。いくらかかったと思っているんだ!」


 従者の無作法を咎めず、男は屋敷を包んでいる火よりも顔を赤くし、従者を殴りつけた。しかし従者は引かずに男を説得し続けた。


「どうかお逃げ下さい! 火事だけならまだ助かります。ですが、もしこれが奴の仕業だとしたら!」


 青ざめていく従者を見て、男は黙りこくった。否、従者ではなく、従者の後ろを驚愕の目で見つめていた。


「どうしたのですか、早く逃げましょう!」


 それでも固まっている男の視線が自分の後ろを見ていることに気付くと、恐る恐る振り向いた。

 振り向くと十歳にも満ちてないだろう少女が、片手に白く発光している剣を持って立っていた。そしてその剣の切先が従者の喉を貫いていた。

 少女が剣を引き抜くと、従者はそのままの体勢で固まり絶命した。


「ひいっ!」


 男は脂汗を掻きながら逃げ場所の無い部屋を逃げ回り始めた。

 少女はその光景を瞬息の間見ると、艶やかな長い黒髪と赤い白いワンピースをなびかせながら、部屋の隅で震えている男に歩み寄った。


「い、命だけは助けてくれ……いくらでも払う! いくらだいくら欲しい!?」


 命乞いをする男の言葉は少女には聞こえていないのか、逡巡も見せず男を切り裂こうとしたその時。


「もし剣を一ミリでも動かしたら、その瞬間に貴方の体吹き飛ぶわよ」


 突如現れた女性に男は目を輝かせて尋ねた。


「お前は一体何者……いや、そんなことはどうでもいい。私を助けてくれるのか!?」


「ええ。助けるついでにそこの少女にお仕置きするけど、構わないわよね?」


「あ、ああ構わない、殺して――あ?」


 男が言葉を紡ぎ終える前に、男の体が燃え始めた。屋敷の火事の事を忘れていた男は、発狂した。


「うわああああああああああああ!」


 女が発狂に気を取られた隙に少女は火の輪と化した窓から外に飛び出した。屋敷の最上階から飛び降りたにも関わらず、何事もなく着地すると闇へと消え去っていった。

 女はその様子を見て溜息を一つすると、割れた窓ガラスを拾い暴れ回っている炎に向けて投擲した。男は仰向けに倒れこむと、息も絶え絶えに口を開いた。


「何故だ……助けてくれるのではなかったのか……?」


 男の言葉を聞き流し、まだ生きている事に女は笑みを浮かべた。


「あら、まだ生きてたの。炎に包まれて心臓にガラスを挿されて死なないなんて……もしかして」


 女は炎の熱さを感じないのか、燃え上がっている男の体に触れると再び哂った。


「運が良いわね貴方。ほんの少しだけ魔力が宿ってるわ。魔法なんて使えない程度の極僅かな魔力だけど、これを利用すれば貴方助かるわよ」


「ほ、本当か、何でもいいから助けてくれ!」


「まだ叫ぶ元気があるなんて……大丈夫きっと成功するわ」


 その夜、屋敷の中で聞こえるどの悲鳴より、男は悲鳴を上げ続けた。

ぶっちゃけやっつけ。

80%更新するとか言ってる方をほうっておいて更新。

あっちはどうしようかね。

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