野太刀入手
次話投稿の練習のために連続投稿になってしまいました。
不慣れなこと、ご了承ください。
異世界転移
1話
武闘術しか頭にない親父も58歳という若さで逝ってしまった。
今日は親父の遺品を整理していたところであるが、何か気になる箱が出てきた・・・それは長い箱と小さな箱である。
小さい箱の方は問題無いと思うが、問題は長い箱の方である。恐らく入っているのは日本刀ではないかと・・・
銃刀法違反?そんな一抹の不安を抱えながら開けてみると、やはり、まぎれもなく日本刀だった!!
木ノ葉流武闘術には剣術もあるので日本刀が家にあってもおかしくはない。そう思ったものの銃刀法違反になるのは問題である。念のため抜いてみた。しっかりと手入れされた普通の打刀といったところであろうか。銘が入っていないので価値は無いように思われる。
どうしようかと思いながら小さな箱が気になり開けてみた。
中には書類が複数入っていたので確認してみるが日本刀を届け出た書類などは見つからない。
しかしながら、奇妙な書類が見つかった。なんと木葉家と木ノ葉流武闘術のルーツの様なものが書かれていた。
親父もお袋も故郷は無いと言っていたので生粋の江戸っ子かと思っていたが、実際のルーツは○県の○市にあった様だ!しかも『木ノ葉神社』なるのもがあるらしい・・・(実際の木葉神社とは無関係です。)
俺は結構一人旅が好きなのでこういうレアな神社などに非常に興味がある。俺は件の日本刀をこの神社に持って行って宮司さんにどうすればいいかを相談し、できれば奉納という形で引き取ってもらおうと思った。そして、出来れば木ノ葉流武闘術の成り立ちや出来た理由、歴史などを教えてもらおうと考えた。 流派の初めの気持ちや目的などが解れば、武闘術をどのようなことに役立てることが出来るかを見つけることができそうな気がしたからである。とりあえず日本刀を元の場所にしまい、遺品の整理を続けた。
木ノ葉神社までは車で結構な距離がある、それに海と山、そして湖や渓流などもあるようだ。俺の趣味にアウトドアと釣りがある。そのため車はライトバン。荷物はたっぷり乗る。
せっかくなので休暇を取って趣味を楽しみながら行くことにした。キャンプ道具、それから海用、川用、渓流、湖で使用する釣り道具一式を車に積み込む。
車中泊をしながら温泉にでも浸かり、趣味をしながらご先祖の眠る地への里帰り。そんな楽しいことを考えながら出発した。
ただ、車に件の日本刀とキャンプで使うナイフや鉈、手斧などを積んでいるので何かあると面倒だから先に木ノ葉神社へ行こうと決めていた。
朝早くに家を出てから5時間ほど走り、昼過ぎには到着した。タブレットPCのカーナビを駆使してようやく辿り着いた感じである。完全に山の中といった状況で鬱蒼と生い茂った森の中に社がひっそりと、そして静かに佇んでいた。
どう見ても周りに人が居る様には感じられず、人家など全くない森の中である・・・。
とりあえず鳥居をくぐり、境内に入ってみると社内の手入れは行き届いている様なので人が管理しているのは間違いないだろう・・・。
そんなことを考えながら一通り境内を廻ってみた。社務所の様な建物があったので扉をノックしてみるが誰も出てこない。再度一回りしてみたが誰もいない。しかし、不思議なことにさっきまで誰かが居た様な雰囲気である。
「お昼休みかなぁ・・・。」
と思いながら誰か居ないかともう一回りすると宝物庫の様な建物の扉が開いている。
「すみません、どなたかいらっしゃいますか?」
声を掛けながら除いて見るが誰もいない・・・。
「確か、さっき前を通ったとき扉は閉まっていたと思ったけど・・・」
そう思いながら建物の奥を覗き込んだ。
「なんだ、これは!?」
思わず呟いてしまった。
そこには人の背丈ぐらいあるのではないかと思う様な野太刀が刀掛けに掛けられていた。
「俺の伸長より少し短いくらいかなぁ、俺の伸長が172㎝だから・・・。」
惹かれる様に野太刀を手に取ってしまい、鞘から刀身を抜いてみる。
「凄い!!」
刃渡りは約4尺(120㎝)全長5尺5寸(165㎝)の見事な野太刀である。しかも先端の1尺(30㎝)が両刃となっている。いわゆる『鋒諸刃造』というもので平安時代に造られた『小鳥丸』の野太刀版みたいな感じか。
野太刀だからか鍔が小さい。鍔迫り合いが必要無いからだろうか・・・・?
しばらく野太刀に魅入っていたら微かにどこからか言葉が聞こえた様な気がした。
「・・・持っていきなさい・・・」
「んっ?・・・」
「なんか聞こえた様な・・・」
耳を澄ませて集中していると微かだが確かに聞こえた。
「・・・これから・・・必要になる・・・持っていきなさい・・・」
「誰だ!?」
俺は振り返って辺りを見渡すが誰も居ない・・・
「必要になるってどういうことだ!?」
闇雲に問い掛けるが返事は無い。
辺りは静寂に包まれている。
「どういうことだ?」
戸惑いながら、どうするべきか考えていた。
もう声は聞こえなくなっている。
ふと『迷い家』を思い出した。
『迷い家』とは東北や関東に古くから言い伝えられている山の中の幻の家のことをいう。『迷い家』を訪れたものは家から品物を持ちだして良いことになっているそうだ。
「これも『迷い家』と同じ様なものか!?」
そう思いながらしばらく考えていたが意を決し、持って行くことに決めた。
野太刀を持ち、本殿に立ち寄って参拝を行った。
「何に使うことになるか解りませんが、お借りします。」
そう心の中で話して神社を後にした。
車の荷台に野太刀を積み込み運転席に座ってからはハッとした。
「日本刀が二本となってしまった・・・。」
ギャグで言っている訳ではない、どうしようか考えるが答えは見つからない。
「考えても仕方ない。とりあえず出発しよう。」
とりあえず温泉にでも浸かりながらどうするか考えようと、スマホで近くの温泉宿を探す。宿泊はせずに温泉にだけ入れるところはないかと。
車で少し走ったところにある様なので車を走らせた。
バックミラーで神社を確認しながら聞こえてきた声を思い出していた。
「・・・必要になる・・・持っていきなさい・・・。」
「・・・必要とは、どういうことなのだろう・・・?」
ほんの数分だろうと思うが走っていると霧が出てきた。
霧は急激に濃くなっていき、前が見えなくなるくらいになってきた。
ふっと横を見ると車が止められそうなスペースがある。しばらく停車させて霧をやり過ごそうと決めた。
「迷い家の次は五里霧だったりして・・・。」
そんなことを思いながら少し仮眠をとることにした。
読んでいただき、ありがとうございます。
徐々に慣れながら話を進めていきます。
よろしくお願いします。




