自業自得やぞ…おぬし(前半)
〜あらすじ〜
ダークウェブで買ったナイフでリスカしたら異世界行っちゃった\(^o^)/
「ハッッ」
悪い夢を見ていたようだ…
現実だった。
地面は芝生だし、空はすごく蒼い。そんな景色が水平線の向こうまで広がっていた。
「ハッッ!!!!」
ふと自分の手を見てみると、あのナイフが握られていた。
「ハッッ!!!!」
格好も少し変わっている。前は普通のミジンコパーカーを来ていたが、黒の猫耳付きパーカーになっている。
…それだけだ。
訳が分からず遠くを見つめる。
「…どうしよう」
ふと思う。財布は置いてきてしまった。ていうか、帰れるのか?!不安が一気に溢れてくる。
「どうしよう…どうしよう…ぁぁあぁあぁぁぁあぁぁぁあぁあぁぁぁあぁぁあぁぁぁあぁぁあぁ!!!!!」
思わず絶叫する。こんなのパソコンがウイルス感染した時以来だ。
「あわわわわ…」
絶望で芝生の上にしゃがみこんでしまう。どうしても立ち上がれそうにない。
毎日無愛想な俺に話しかけてくれたカナ君とも友達になれそうだったのに。働いて日本を変えたかったのに。
その場の衝動で、少しあった希望を全部捨ててしまった。
俺にはもう、何もない。
少しだけあった救いが無くなった実感が今更出てきて、涙が溢れる。
(少しでも考えれば良かった。俺には、まだ少しだけ希望があったのに)
「ううぅ…」
情けないとは思いつつも、涙を堪えきれなかった。
自業自得だ。
「大丈夫ですか?」
「ふぇ?」