迷いの森~中編~
迷いの森の中に入り、30分ほどが過ぎた。
「ねえ、ねえ、お兄。今どの辺にいるの?」
「何言ってんだ?そんなの分かるわけないだろ。一応時々方向を確認しながら動いてはいるけど、何処で方向がずれてるかなんか分かんないからな」
「え、じゃあどうすんの・・・・」
「所々木に印をつけてあっから、出るときは大丈夫だよ。まあ、印の場所が分からなくなったらおしまいだけどね」
「木を燃やしてはダメなのですか?」
「出来なくはないと思うけど、やらない方が良いよ。多分一酸化炭素中毒で死ぬよ。多分それに対してのポーションはまだ無いから」
「木々をへし折っていくのは?」
「うーん・・・・・ちょっと悩むところだよね。むやみやたらに森を傷つけても大丈夫なのか」
「誰も使ってないんだから大丈夫なんじゃない?」
「!みんな警戒態勢。魔物が周囲にいる。数は30以上」
「どうしますか」
「とりあえずここだけでも切り開こう。流石にこの狭い場所で戦うのは無茶だ」
「分かりました
神鳴流剣術奥義【破轟】はぁぁぁぁ!!!」
目の前の木が一気に薙ぎ払われた。
そこから次々に狼の魔物が出てくる。
「神楽流槍術【大薙】はぁ!」
「神楽流大剣術奥義【断斬】」
「【風壁】だよ~」
「【固定型要塞城壁】!」
移動型に比べ相手のヘイトを稼ぎやすく、尚且つ防御力は移動型の1.5倍になる。
ただし使用中は移動できなくなるので、使いどころによっては自滅技になる。
「【スピードダウン】」
ユズのデバフで周りの狼の速度が落ちていく。
そこに俺とコトの技が当たる。
そして、その攻撃から逃れた狼は風壁によって止められ、無理矢理突っ込んできた狼も要塞城壁によって阻まれ、風壁の餌食となった。
「お兄、次々来るよ!きりがない!」
「退避するぞ!三つに分かれろ!」
ラウラとユウというこのパーティの最高火力兼天才二人。
コトとハルというパーティの準火力兼馬鹿二人。
ユズとシュリという火力皆無兼天才と馬鹿二人。
思いつく限りでは最悪の組み合わせとなってしまうのであった。
なお、最高の組み合わせは、ラウラ一人、ユウとシュリの二人、ユズとコトとハルの三人である。
ラウラという単一最強。ユウという高火力にシュリという最強の盾。ユズというバランサーにコトとハルの準火力だ。