迷いの森~前編~
西の帝国に向かうにはゲーム内で三日ほどかかるらしい。
間には村や町が合計で三つほどあり、途中には国境警備隊などもいて、国境を越すのに並ばなければいけないらしい。普段は転移で一気に次の街に行けるのに、そう言う所は面倒なんだよな。
そして、ラウラ達はというと・・・・・・今現在、森の中で迷子になり3手に分かれてしまっていた。
なぜ迷子になったかというと時間は1時間ほど前まで遡る。
レイズ達は王都から西へ向かって一直線に歩いていた。
王都から帝国へ行くのには大きく分けて二つのルートがある。
一つは今ラウラ達が通っている、一直線に進み森を突っ切って街を通らずに帝国の帝都へと進むルート。
もう一つは三つの村や町を通りつつも、比較的安全、かつ、道に迷う事はほぼない道を通っていくこと。こちらのルートが一般的に言われている帝国へ行く方法で、時間的には3日ほどかかることになるが、歩く速度にもよるが大体が3日で帝国の帝都に着くことができる。
一つ目のルートでは途中に迷いの森と呼ばれるほどの壮大な森があるのだが、1日で帝都までつくことができるだろうと言われている。
なぜなら2つ目のルートは迷いの森を避けて進むからだ。その際大きく北の方へ向かうため、時間ロスが大きいらしい。
「さて、森に入るけど準備はいいよね?」
「うん!みんなで集まれる日がこれから1カ月くらいは短くなるからね。出来る限り今日中に帝都に行きたいもん!」
全員で会えないというのも、ユズとコトは受験勉強で塾に入り、ラウラとシュリはクラスマッチの練習。ユウとハルは体育祭のようなものがラウラ達と同じ日にあるため、その日に向けての練習会があるらしい。
「それもそうだな。じゃあ、行こうか」
これが命取りになるとも知らずにラウラ達は森の中へと入っていった。