カードゲーム
闇の渓谷攻略を終えてから半月ほどの月日が流れたある日、俺は一人で王都をぶらぶらと観光していた。
小菟琶と小柚子は受験まで、まだ時間があるとはいえ、目指すは俺達の通う超難関高校。いくら勉強しても足りないということは無い。逆にしない方が大きな問題である。
俺はそこまで試験勉強をした記憶はないが、毎日コツコツというのも一つの手だ。
さて、他のメンバーなのだが、朱莉は実家への帰省。
ハルとユウは単純に学校だそうだ。第四土曜日だけは毎月学校があるそうだ。
まあ、二人は一年生なので特に何をやるかは分からないそうだが。
一時間ほどぶらぶらとしていると、商店街で異様な盛り上がりを見せているとある雑貨屋を見つけた。
気になり中を見てみると、数人の子供たちがカードゲームをしている様子が見て取れた。
いや、子供たちだけではなく、大人のプレイヤーからNPCの子供まで様々だ。
「なあなあ。これって何をやってるんだ?」
「何!これを知らねえのか!しょうがねぇな。教えてやるよ。これは『MONSTERSPIRITS』っていうカードゲームなんだよ。戦い方は一対一から一対二、二対二まで様々だ。カードには大まかに三つの種類がある。
魔物カード。このカードで相手に攻撃して相手のライフを0にした方が勝ちだ。
次に呪文カード。これを使って相手の魔物カードを破壊したり、相手の攻撃を防いだりする。
最後に設置型カード。簡単に言えば設置魔法なんだが、場に影響を与えるカードだ。相手を不利にすることも、自分の魔物を強化することもできる
これが大きなカードのくくりなんだが、最後に一つ大事なカードがある。デッキに一つだけ入れられる必殺技カードだ。このカードは特殊な条件下でのみ使えるカードで、大体は相手のライフの残り数量という事が多い。
さて、ここまでカードの種類について話してきたが、今度はデッキについて説明するか。
デッキは50枚で一組だ。デッキの組み方にもいろいろあるから試してみるといいよ。
最後にこのカードゲームで強いプレイヤーを教えておこう。現在毎週行われている大会で三週間連続で一位を取っている、ルーリスさんだ。彼女の持っているカードは大体がめっちゃ強いうえに、デッキの組み方もかなりおかしいから、彼女には勝てないと思った方が良いよ」
「ありがとな、おっちゃん。楽しそうだし買ってみるよ」
「おう。この雑貨屋でスターターデッキも売ってるし、一パック5枚入りで100Gで売ってるから色々試してみて、自分に合うものを見つけてみるといいぞ」
「おう!今度会ったら一緒にやろうぜ!」
「明日が大会だし俺は出るから、お前が出るなら当たるかもしれないな」
「おっしゃ!じゃあ、俺もエントリーしてくるよ」
「おいちょっと、ま・・・て・・・・行っちまったか。まあ、負けたところでペナルティがあるわけでもないから、問題はないだろうな」