王都の外へ
「お兄様お疲れ様でした」
「お前ら見てたなら助けろよ」
「いえ、お兄様なら軽くあしらえると分かっていたので」
「お兄ならあんな奴ら簡単に倒せるでしょ」
「まあ、そうなんだけどさ・・・ああいうの相手にするのってめんどいじゃん」
「私達もよく被害にあっているので、ご安心ください」
「それ安心するところじゃないよね!」
「ユズはいつも蔑んだ目で相手をにらみつけて、何故か感謝されているもんね」
「ああいう変態は相手にしない事に限りますね」
おお、ユズたちは意外とたくましく育っていたようだ。少し前までは俺の後ろをついて歩いてたと思ったんだが、成長するのは速いものだな。
「なんかあったのですか?」
そこにユウがやってきた。
「お兄がナンパされてただけですよ」
「逆ナンですか」
「いや、同性」
「・・・?」
少し間を開けてユウは首を傾げた。
「聞き間違えでしょうか。私の耳には同姓と聞こえました」
「聞き間違えじゃないよ」
「お兄が女の子だと思われるのは日常茶飯事だもんね」
「コ~ト~決闘したいのかなぁ~?」
「すいませんでした!」
「ラウラ君、何でコトちゃんに土下座させているんですか」
「勝手にこいつがしただけだから」
「コトちゃん、どうして土下座しているの?何かラウラ君にされたなら言ってね。私が怒っておくから!」
「シュリちゃ「シュリの分の飯はこれから作らなくていいんだな」
「すいませんでした!」
「しゅり、ちゃん」
「え~と。これは~どういう状況なのかな~?」
ハルは少し遅れてやってくると、首をかしげて疑問を口にした。
「まあ~、私は~どうでもいいけど~」
「自業自得なので放っておいて大丈夫ですよ」
「ああ、少なくともシュリの方は自業自得だった」
二人はフォローに回ってくれているようだ。
「よし、じゃあ、いくか!」
「分かりました」「お兄様の御心のままに」「は~い」「「はい」」
一人重そうなのと、二人つらそうなのがいたが、俺達は王都の外へ向かった。