双子の妹
『AWO』にログインすると、ステータス画面から『FRIEND』を開き、他の二人が入っているかを確認した。シュリはすぐにログインすると言っていたので、わざわざ確認する必要もないだろう。
二人は今日はまだログインしてないようなので、シュリと二人で王都に行っている訳にもいかないので、しばらくは街にいるようだろう。もしくは簡単な採取クエストをやってきてもいいかもしれない。
そんなことを考えていると、シュリがログインしてきた。
「ラウラ君。お待たせしてごめんなさい」
「大丈夫だよ。二人はまだログインしてないようだから、何かやりたいことはあるか?」
「うーん・・・・・・・そうですね~。この街はほとんど回れていませんでしたし、街を回りませんか?」
「そうだな。まあ、妥当なとこらだろうな」
「そう言えば、パーティメンバーの残りの二人ってどうするんですか?」
「ああ、それなら心当たりがあるよ。多分今日のうちにここに来るだろうし、会えるんじゃないかな」
「?そうですか」
その後一時間ほどシュリと街を回り、食料や普段着などを買った。
このゲームではまだ、食料を食わないことで倒れたりする機能はないが、他のゲームではそういう機能があると聞く。
アップデートで機能が増える可能性もあるのだから、買っておいて損はないだろう。
「シュリ、そろそろ宿屋に戻ろうか?二人もログインしてくるころだと思うし」
「ですね。戻りましょうか」
俺達が宿屋に戻り始めると、後ろの方から走ってくる音が聞こえた。
「お・に・いー!」
何事かと思い振り向くと、俺に向かって一人の少女が突っ込んできた。いや、飛びついてきたと言った方が正しいだろう。
俺は少々驚いたがそれが誰かを理解し、頭を押さえて止めた。
「ぶー。お兄、何で止めるの!」
「何で止められないと思ったんだ?それより、小柚葉はどうしたんだ」
「およ?ついてきてたと思ったんだけど」
「ついてきてますよ。勝手に走っていかないでください。毎回毎回目を離すとどこかに消えて、探させられるこちらの身にもなってください」
「そう言いながらも、毎回見つけてくれるよねー。ユズの事大好きだよー」
「それとこれとは話が別です。お兄様、お久しぶりです」
「お、久しぶりだな。元気にしてたか?」
「はい!お兄様。私、お兄様に会えない日が続き悲しく思っていました。会えて良かったです」
「そうか。まあいつも通りだな」
「あの~。お二人はどちら様ですか?」
「ああ、そうだったな」
「お話は聞いております。貴女はお兄様の部屋の隣に引っ越してきた、めぎ、ゴホン、ゴホン。朱莉さんですね。何てうらやま」
「ユズちゃん。話がずれてるよ」
「すいません。私としたことが、取り乱しました。改めまして、私はお兄様の義妹の小柚子です。こちらの世界ではユズとお呼びください」
「私はお兄の義妹でユズの姉の小菟琶。こっちではコトって名乗ってます。そうぞよろしく!」
「私は朱莉です。こっちではシュリって名乗っています。よろしくね」
「ってことで、俺の妹のユズとコトだ。二人は双子だから」
「へえ~、そうなんですか。もしかして」
「うん。さっき言ってた心当たりって、この二人のことだから」
「ええー!!!!」
宿屋に戻ると、二人はログインしていました。二人のことを説明すると、喜んで迎えてくれました。
皆いい人たちだね。
新作始めました。
https://ncode.syosetu.com/n7029gd/
『天才達は全てがゲームで決まる世界で無双するそうですよ』
こちらの作品もよろしくお願いします。