決闘②
ラウラに対して、このゲームでの隠密は通用しない。ラウラは五感で判断しているため、隠密のスキルを使ったとしても、不自然な風の動きなどで居場所がばれてしまう。
事実、リョウは試合が始まってからの十分間隠密を駆使して攻撃し続けているが、攻撃が当たる気配は一向に見えず、全て避けられ、時々ガンツの盾と激突させられたりしていた。
「お前らの攻撃はもう終わりか?これじゃあ、良いとこでウルと同じ位ってところか。その程度じゃいくらレベル差がなかったとしても俺には敵わねえよ。次はこっちから行くぞ。
神楽流【識】
神楽流剣術秘儀【鏡写し:『神鳴流』覇牙】」
神楽流には、奥義をすべて覚えたときにのみ使えるようになる技がいくつかある。【鏡写し】はそのうちの一つで、他の流派の技を見て真似る。熟練者にもなると、自分に合わせてその技を打てるようになる。ラウラもそれができる一人で、今回使ったのは湖鮫戦でユウが使った【覇牙】だ。
覇牙は相手の防御を崩すのに持って来いの技で、今回はガンツの盾を突破し、ガンツを決闘上の壁にぶつけた。ガンツはそのまま気絶し、リョウもそれを見るとすぐに降参した。