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闇の渓谷④
「すまん、シュリ。遅くなった!」
「ううん。全然大丈夫だよ。片方ずつやるの?」
「いや、両方一緒に殺ろう」
「じゃあ、タゲをそっちに移すよ。【注目度交換】」
注目度交換は、普通は後衛に向いたタゲを、強制的に自分に移す技だ。しかし、このスキルは逆に相手に押し付けることもできる。今回使ったのは、後ろの方だ。
ラウラは次の技へと入る。
「神楽流【識】【繋】【伶】
神楽流剣術【流龍】
神楽流剣術奥義【八咫烏】
神楽流剣術奥義【波切】
神楽流双剣術奥義【鵺斬】
神楽流演舞皆伝【十六夜舞】
神楽流剣舞皆伝【斬斬舞】」
神楽流の基礎から繋げていく技で、種類は数えきれないほどに存在する。神楽流は基礎の技だけでも百以上あるとされている。その事から考えると、しょうがないともいえるだろう。しかし、ラウラは全ての術を完璧に覚えている。すべて使えるかと聞かれれば、出来ないとも、出来るとも言える。つまりは、実践レベルにまでいけていないものも多々存在するのだ。
その中でも、今回ラウラが選んだのは、相手同士をぶつけるものだった。