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決闘①
ウルとラウラは、現実で同じ道場に通っていた。
そこはラウラの家系の分家の一つで『神楽』という流派で通っていた。
ラウラは無数にある武器の殆どを修めていて、中でも短剣と弓矢、そして、投擲が得意だった。
ウルは特別得意なものはなく、普通の剣道場として通っていた。
中学では剣道部に入り全国で準決勝まで残っていた。
ラウラも剣道部に入っていて、優勝していた。
ウルは、今まで一度もラウラに勝てた試しがなく、今回決闘をすることにしたのもVRでなら、勝てるかもしれないと思ってのことだった。
突っ込んできたウルは剣を鞘に収めたままで、柄に手を掛けていた。
ラウラは短剣を取り出す。
「はぁぁぁぁ!!!!」
ラウラは剣を受け流し脇腹を切りつけた。
ラウラは、ウルの周りを縦横無尽に走っていく。
ウルは、剣を振るうがラウラには掠りもしない。
ウルは、このままではラウラに勝てないと思ったのか、スキルを使い始めた。