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夏祭りの夜に。

作者: 幻中 飽那

こんにちは飽那です。まだまだ拙い文章かとも思いますが、読んでいただけると幸いです。

救われない少年の話です。

苦しくて苦しくて、吐いてしまいそう。

痛くて痛くて、泣き出してしまいそう。

悲しくて悲しくて、死んでしまいそう。


ボクは何もしていないのに。

ボクは何もしていないのに。


どうして、みんなボクにひどいことするんだろう。



ボクを知ってる人、知らない人。

誰彼構わずボクをイジメル、ボクをクルシメル。



水にいれられた一昨日の喉、まだ苦しい。

殴られた昨日の身体、まだ痛い。

嗤われた今日の心、まだ悲しい。




今日は夏祭りの日らしい。

でも、ボクには関係ない。


みんな誰と行くか楽しそうに話し合っている。



ボクは逃げるようにして教室を飛び出した。


いつもはそんな簡単にできないけど、今日はみんな浮かれてて簡単だった。



家について、ドアを開ける。


今日も聞こえる怒声、夕飯用の百円玉が床に置いてある。


ここでも、一緒。

ボクに居場所はない。


やっぱりボクは逃げた。

家を飛び出す。




ボクのお気に入りの場所、神社に向かう。


でも今日は夏祭りだ。

神社には人がいっぱいいて、ボクのお気に入りの場所にもいる。


これじゃ、隠れられない。


人はボクを見るだけで、ひどいことをしてくる。

ボクは、人がコワイ、人がキライ。



案の定人に見つかってしまう。


暴力を振るわれる。

罵声を浴びせられる。




人は欲望の塊だ。

自分可愛さに他人を傷つける、他人を蹴落とす。


その能力で頂点に立つものが、スクールカーストでも、人との関わり合いのことでも、大体のことでは上位を取る。


そしてその他の人もその人間に倣っていく。


その現状に麻痺し、人間全体がそうなっている。


そうなら、異質なものがあれば攻撃するのは当たり前。

そうなら、気に入らないのなら攻撃するのは当たり前。



ボクもその現状に麻痺してる。


当たり前だと思って、反撃するのをあきらめてる。


昔は、いじめはダメだとか、暴力はダメだとかボクは言っていた。

でも、周りの人間は異質なもの、気に入らないものと思ったのだろう。


それから、ボクへのいじめは始まった。


いじめられる事に慣れて、心は廃れている。

なにも感じていないのではないかと思わせるほどの表情を見せる、ボク。


その淡々さが、いまの現状を生んでいるのだとも思う。

だから、より嫌なことをさせられるのだろう。


苦しいし、痛いし、悲しいし。


我慢するのは楽じゃない、でも我慢しなくちゃいけない。



嫌になってボクはまた逃げる。



周りから、ボクを嗤う声が聞こえる。


ボクを見て、嗤ってる。



やめて、やめて、やめて、やめて、やめて!


ボクが何をしたの!


ボクは何もやってない!


だから──



──誰か、助けてよ。




その思いは誰に届くでもなく夜空に溶けて、消えていく。






あぁ、そうだな。


もう、誰にも期待しない。

もう、誰にも助けを求めない。






もう、誰も信じない──。

ここまでお読みいただきありがとうございました。誤字脱字があったら教えていただけると嬉しいです。アドバイスや感想も送って下さったら幸いです。

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