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第1話 〜橘悠介の場合〜

初投稿です!

「あぁ〜、つまんない。」


普通の高校に通うごく普通の一般男子の橘悠介(たちばなゆうすけ)は、そうつぶやいていた。

「何かあったのか?」

友人の沓掛涼〈くつかけりょう〉が悠介の気持ちを知らずに聞いてくる。


「……失恋した。」

       ……………

「えぇ!!!おまえがぁぁ!?誰に告白したんだよ??!」

涼は驚きを隠せなかった。

運動も頭脳もぜんぜんできない悠介だが顔は美形の類に入る。というより可愛い顔をしていて、制服を着てなければ女子に間違えられていただろう。特に彼の声は声変わりをまだしてないのか、とても高く可愛いアニメ声なのだ。

『抱きしめてあげたいほど、可愛い男の子ランキング1位』という(女子が勝手に作ったランキング)座を手にしたこの男に告白されたら、どんな女でも付き合いたくなってしまう。

一体どこの誰がこの男を振ったのか…


「そんなに、驚かなくたっていいだろ…2年3組の橋本優希はしもとゆきに告白しようとしたら、彼氏がいたんだよ。スゲーカッコイイ男でさぁ。ラブラブだったから告白できなかった。」

「あぁ、告ってはないんだ…だよな…ってか、橋本優希って二股してるらしいしな。」

「そうだったの!?」

「いや、有名な話だし。知らないのお前だけだろ?」


悠介の大きな瞳には、涙がたまっていた。

涼がヤバイと思ったときはもう遅かった。

「うわーん!!!!何でだよッーー!!!!!!!!!何で俺の好きな女はそんなヤツばっかなんだよー。神様、俺はなにも悪いことしてねーよ!!!!!うぅぅ、ひく、っうく」

人目も気にせず、悠介は大声で泣いていた。

「小学生じゃないんだから、そんなんで泣くなよ。」

最初は、呆れてた涼だが後ろから視線を感じ、振り返る。

悠介のファンらしき女子達が、みな涼に冷たい視線を送っている。

「オイ、泣くのはヤメロ!!!、俺が泣かしてるみたいじゃないかっ!!!泣くならトイレで泣けっ!!」

「うぅ、もういい。これも全部涼のせいだー!!!」

「勝手に人のせいにするんじゃねー!!!!!」

悠介は泣きながら、教室をとび出していった。


悠介がとび出して行った後、涼の周りには4〜5人の女子が囲んでいた。

「悠介君が泣いてたわ、一体どういうコト????」

「え〜とその…」

「場合によっては、貴方を殺すかもしれないけどね♪」

「あぁ…(汗」






一方、悠介は涼に言われたとおりにトイレの洗面所で泣いていた。

「うぅ…なんで、、俺ばっかり、うっく、ひっく」

小さい頃から、そうだった。

小2の頃、好きになった子は女の子だと思っていたら、男の子だった。

小5の頃、好きになった子は隣町の小学校に転校してしまった。

中2の頃、好きになった子は大の男嫌いで、悠介は偶然その子ともう一人の女の子がキスしてる所を見てしまった。彼女はレズだったのだ。

高校を入学して、一目惚れで好きになったのが橋本優希だったが、その彼女もあんなカッコイイ男がいるのにも関わらず男を二股しているという。

「うぅ、俺はずっと彼女できないのか…?

もしかしたら、一生童貞なのか…?」

思い出せば、思い出すほど悲しくなる。


「くぅ!っ」

変な声がした。悠介の声ではない。しかし後ろを向いても誰もいない。


「俺、、、泣きすぎて幻聴聞こえるのかな?…」

顔を洗い、頬を手で強く叩いて、教室に戻った。




悠介がいたあのトイレでは

「うっ、、くぅ、、はぁ。ウッ!アッくっ!!」

男の色っぽい声が響いていた。

「先生、うぅ、もう出ちゃう!!」

「いいよ、全部出しな。」

「ウゥ、ン〜〜」

男子生徒から、白い液体が飛び散った。

ここでは一人の男子生徒と一人の先生が性行為を行っていた。

実は、悠介は気付いていなかったがこの二人は悠介が来るずっと前からこのトイレにいた。

トイレといっても一番奥の洋式便所にいたのだから悠介にとって、気付くのは難しい。

「なぁ、さっきの高い声で泣いてたやつって誰か分かるか?」

乱れた服を着直しながら、数学の教師、佐藤隆弘(さとうたかひろ)は聞いた。

「たぶん、あのアニメ声は…橘悠介だと思います。先生、人が来たのに激しくしたから声漏れちゃったじゃないですか!!」

「別にいいじゃん、君も興奮してたみたいだし」

佐藤がそう答えると、男子生徒、相原公輝あいはらこうきは顔を赤らめた。

「そんなことより、先生。いいかげん、僕の恋人になってくださいよ。」

公輝が佐藤に抱きつく。

「それは、ヤダな〜。高校生の君となんて…」

「それでも俺、先生を愛してるんですよ、先生だって…」

「確かに、君の中は気持ちいいけど、君の事好きじゃないし…それに、もう飽きちゃった」

佐藤は小さい子供が使い慣れたおもちゃを飽きると同じように公輝のことが飽きてしまったのだ。

当然公輝は、怒る。

「それじゃ、今まで俺のこと好きでもなかったってことですかっ!!!」

「そうだよ。」

「あんなに愛し合ってたのに…それに好きだから僕とやってたんでしょ!!」

「女みたいにうるさいな…愛し合ってたって君の妄想だろ?俺、君のこと好きっていった覚えないしね。」


そして佐藤は、

「はい、君との関係は今からただの生徒と先生だからもう用もないのにこっちに来るな!

面倒だから、もうお前とのこの関係やめる。」

無理やり、抱きついてる公輝を引き剥がし自分はトイレからでた。



公輝も自分の方を振り向こうともせず、行ってしまう佐藤の姿を見て諦めた。

佐藤という人間は自分を愛するどころか親しいとも思っていないと公輝は思った。







佐藤は公輝と別れたばかりなのに、


「橘悠介…」

彼の頭はなぜかその名前ばかり浮かんでくる。





男子高にすればよかった…

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