終焉の始まり
《終焉の始まり》
非常に残念なことに俺の人生は終焉を迎えた。
あぁ、楽しい人生だったな。
後悔した。
もう出ない涙を流して泣いた。
なぜあの時素直にあの娘と同じ班になりたいと言えなかった。
預けてあるメダル全部使っとけばよかった。
ちゃんと体調管理ができていれば修学旅行を
早退することもなかったはずだ。
というか部活でもっと友達と青春すればよかった。
……今までの嘘です。
学校なんて行ってませんでした。
青春なんてしてないです好きなあの子もいませんでした僕に生きる価値なんてなかったんですだからこれでいいんです。
後悔することも思もえばなかった。
あっ、ハードディスクのデータ……
まあいい。死んだんだから羞恥することもないだろう。
……ヤってないじゃん!
俺童貞じゃん……
急に悲しくなり涙(出ない)を流した。
有性生殖をするヒト科の人間として人生最大の
使命を果たせずに死ぬなんて生きてる意味はあったのか本当に心配になった来た。(ヤりたかっただけ)
学校も行かず親孝行もせず子孫も残せなかった俺は本当に価値がなかったようだ。
ただ電気を浪費し一生を賭してスキルを磨き経験値を貯めてきたこの人生は何だったんだ。
今思えばゲームなんてやってないで学校に行っていればよかったと思う。
暗い部屋の中で見えない二進数の数列を追い求めるより、友達皆と数学の勉強会をわいわいやりたかった。
会えない嫁より触れる同級生と恋をしたかった。
……嘘それはないな。
俺は嫁を愛し続けたことを一生たりとも悔いはしない。もう一生がないけど。
だらだら人生の反省をまとめて暗闇を歩いているとふと目の前に二枚の扉と立て看板が現れた。
此ノ扉ノ片方ハ天界へ
片方ハ魔界ヘ
マジか。本当に天国と地獄ってあるんだな。
天国に行けるほど良いことしてないけど。
天国には巨乳のエンジェル達が住んでいて
色々と色色な事をしてくれるのだと前に読んだ
薄い本に書いてあった気がする。
嗚呼巨乳。
嗚呼天使の御奉仕。
ニヤニヤがとまらねえなぁ相棒ッ!
にょきにょき。もぞもぞ。
そうだな相棒ッ! (裏声)
……悲しきかな童貞。
「なにニヤニヤしてんのよ気持ち悪い」
突然後ろから女の声がした。
勢いよく振り返る。
「きょ、巨乳ッ! ……じゃない
嘘だろ…… 話が違うじゃないか」
「張っ倒されたいの?」
目の前にいたのは天使ではなく金髪碧眼の小さな女の子だった。
「君どこから来たの?
ママとパパはどうしたの?」
「子ども扱いしないでよ」
私は16歳よッ! JKよッ!」
「はッ!? 同い年?」
「なによ失礼ね?
ちゃんとレディに対する態度をわきまえてくれる?」
どうやらこのまな板さんは同い年 (自称)らしい。
俺はひんぬーは嫌いじゃないが好きでもない。
というかおっぱいはあったほうがいいに
きまってるじゃないかッ! 自明の理ッ!
「あのー 大丈夫? 生きてるの?」
無意識の外から声がした。
この子いたんだ忘れてた。
「残念ながらお兄さん死んじゃってここに
いるんだよ」
「何がお兄さんよ。あなたさっき同い年って
言ってたじゃない。てかあなたも死んでここに
きたのね」
「あなたもってことは、お前も死んだってことか?」
「急にお前って、失礼ね」
「同い年なんだろ」
どうやらここはさっき死んだ人が集まる所みたいだ。
というか俺本当に死んだんだ。
かなし。いとかなし。
「あんたどっちの扉が天界へ通じているか
わかってるの?」
「急にあんたって、失礼だな」
「同い年なんでしょ」
この子生意気だ。
「で? どうなのよ? わかるの?」
「んなもんわかってたらとっくにくぐってるよ」
「使えないわね~」
殴ろうか。
だが紳士なおれはそんなことはしない。
「お前はわかるのか?」
「わかんないから聞いてるんじゃない!」
この子ダメな子な気がする。
「とりあえずここをくぐんないとなんも
起きなそうだからとりあえずどっちに行くか
決めようぜ? 二人で行けば怖くないしな」
「はあ!? そんな簡単に決めていいの!?
これからの生活が決まるかもしれないんだよ?」
「人生楽観的に生きなきゃだめだぞッ!」
「だから死んだんでしょ」
「……うるせえな、良いじゃねえかよ。
というかどっちにすんだよ。はよ決めようぜ」
「本当に言ってんの? 馬鹿なの? 死ぬの?
あっ、死んだのか。いい気味ね」
「お前もだろ。まあいい、じゃあじゃんけんで
お前が勝ったら右で、俺が勝ったら左な」
「あ、マジなんだ。まあいいわ?
このスーパー優しい私があんたのわがままに
付き合ってあげるわ」
なんだかんだ言ってついてきてくれるらしい。
というか言ってる本人がなんか不安になってきた。
こんな簡単に決めていいのだろうか。
死後の人生決まるんだぞ。
「じゃあやるわよ。じゃーんけーん」
「はっ? ちょまっ!」
「ぽいっ!」
俺が勝った。
「じゃあ右に行くのね?
ここにいても仕方ないし行きましょ?」
「マジかよ」
マジかよ。本当に行くのかよ。
この子意外と度胸あるな。
きっと生前もクラスとかで人気者だったんだろうな。
「じゃあ行くわよ」
恐る恐る扉を開ける。まだ光で先が見えない。
「……ねえ?」
「なんだよ」
「怖いわけじゃないの。怖いわけじゃないのよ?
ただちょっと怖いから手を握らせてあげるわ」
やっぱこの子ダメな子だ。
「しょうがねえな」
手をつないであげた。
よく見ると彼女の脚は震えていた。
手も手汗がすごかった。
この子も、すごい強がってたみたいだ。
そう思うと少し可愛くみえてきた。
近くから見るときれいな顔をしていた。
透き通るように白い肌、薄い桃色の唇、
まつ毛の長い大きな目。
普通に可愛いじゃないか。
そう思うと急にこの状況が恥ずかしくなってきた。 女性とまともに話したことがない自分としては、
こんな可愛い子と二人っきりでいて、はたまた
手をつないでいるなんて、夢にも思わない事だった。
しかし女性経験の少ない (a little× little〇) 俺としては耐え難い緊張であった。
「えいっ!」
「ちょっ!?」
彼女が勢いよく飛び出した。
それに引っ張られ俺も扉をくぐった。
これから始まる生活のことを考えると不安で仕方なかった。
でも自慢の楽観視で乗り越えることができた。
そういえばこの子の名前聞いてなかったっけ。
読んでくださりありがとうございました!
今回は初の投稿であり、処女作となります!
小説の書きかたも知らず手探りの作業となってしまいますが、
連載できるよう頑張っていきたいと思うのでよろしくお願いします!
できれば感想等もお願いします!