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この小説がブックマーク件数1000件を突破しました!
読者の皆様、ありがとうございました!
街の中央にある広場から離れ、人通りの少ない場所に着くと、その女性はゆっくり歩くようになり俺の手を離した。
「ふぅ、ここまで来れば大丈夫かな?」
彼女はそう言いながらこちらを向く。
「はじめまして。私はノユキ。さっきはいきなり連れ出しちゃってごめんね」
ノユキさんは顔の前で手を合わせていた。
「いえ、俺も助かりました。ありがとうございました、ノユキさん」
「あははは、ノユキでいいよ」
「じゃあ、ノユキで」
「うん」
「あ、俺の名前言ってなかったですね。俺はリクです」
「リク君か。よろしくね」
ノユキはそう言いながら、俺にフレンド申請を飛ばした。
「はい。こちらこそ、よろしくおねがいします」
俺も申請を承認して、そう返す。
「さっきは、ほんとに助かりました。ありがとうございました」
「いいよ、いいよ。それにしても、かなり可愛いね。うらやましくなっちゃうよ」
中が男だということを隠そうかと悩んだが、隠し通せる自信のない俺は正直に話すことにした。
「残念ながら、俺は中が男です」
「へ? どゆこと?」
「どうやら、脳波の測定がおかしかったみたいで、女性と判断されたみたいなんですよ」
おかしいですよね。といいながら、笑った。
「へぇ。珍しいこともあるんだねぇ」
「はい。まあ、リアルの顔もこんな感じなんですけどね」
「女装が似合いそうってこと?」
「不本意ながら」
「男の娘ってわけだ」
ノユキはそう言いながら、指を使って空中に娘と書くような動作をした。
「はい。そんな感じですね」
「実在するんだね~」
「そうなんですよ。本人は迷惑でしかないですけどね」
そういって、笑っていると、
「ねぇ、そんなことよりもさ、一つ聞いてもいい?」
ノユキが声のトーンを落として話し始めた。
「なんですか?」
「このゲームってボスを倒したプレイヤーの名前は公式サイトで公開されるようになっているのよ」
俺はその話に驚きつつも、顔に出さないようにと、平常心を装った。
なんとなく、知られないほうが良い気がして、隠そうとする。
「それでね、キミと同じリクっていうプレイヤーは今まで討伐されたボスすべてに名前が入っているんだけど、心当たりはない?」
「さ、さあ、読み間違えじゃないですか?」
そう言いながら、顔をそらす。
「残念ながら、そんなことはないかな? だって綴りも同じだしね」
ノユキはそう言いながら公式サイトを俺の前に表示させた。
「もしかして、違う人とか」
「このゲームは他人と同じ名前で登録できないはずだよ?」
「えっと、」
俺はなんとかごまかせないかと考えていくが、なかなかいい案が思い浮かばない。
「キミ以外にこの綴りのリクってプレイヤーはいないの。もう分かってることだから、隠さなくていいよ」
「うぐッ!」
「というか、なんで隠すかな。私はリク君をとって食おうってわけじゃないよ」
「えっと、それは・・・」
「まあ、いいや。それで? キミが今までのボスをすべて最初に倒してきたリク君で合ってる?」
俺は観念して、
「まあ、はい。ボスを倒したリクです。」
正直に答えた。
いつもの文の前に、読者の皆様方に一言
本当にありがとうございました!!
こんにちはyoshikeiです。
今回も最後まで読んでくださりありがとうございました。
前書きにありますように、この小説「未確認ネカマ」がブックマーク件数1000件を突破いたしました。
読者の皆様方のおかげです。ありがとうございました。
これからも面白いと思っていただけるような小説にしたいと思いますので、応援よろしくお願いいたします。