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お待たせしました。
~次の日~
俺はバイトから帰ってくると、MSOにログインする前にゲームの情報を見ようと、PCを起動させた。
クアドルの街の近くに階層型迷宮有り
場所・森の奥
推奨レベル・60以上
近接戦闘型の敵多数
リポップ頻度・低
罠は少なめ
βテスト・第3層まで攻略
現在 ・未攻略
魔法で一掃するか、一体ずつ遠距離から釣り個別撃破推奨
敵はコブリンやスケルトンがメイン
敵は総じて魔法耐性が高く物理耐性が低い
魔石ドロップ有り
βテストの情報が載っているサイトを見ていると、こんな情報が目に付いた。
「魔石はここで集めろ。ってことか」
俺はそうつぶやくと、サイトを閉じてログインした。
「さてと、森と迷宮でアイテムの回収でもするか」
俺はアクタの家で目を覚ますと、街の中央にある転移台にのり、クアドルの街に移動した。
クアドルの街に着くと、そこには大勢のプレイヤーがいた。
「うげ、もうこんなにいるのか」
俺は少し驚きながらも、スキル【隠密】を使いつつ急ぎ足で門を目指そうとした。
だが、スキルを育てていなかったためか、
「よう、そこのお譲ちゃん。俺たちと一緒にパーティー組まねぇか?」
他のプレイヤーに見つかってしまった。
無視して通り過ぎようと歩き出すが、他のメンバーも一緒だったのか行く手を阻まれてしまった。
「そんな無視なんかすんなよ。この街の近くにある平原でボス狩りするんだが、メンバーが空いてんだ」
「そうそう。どうせ、お譲ちゃんもこの街に来たばっかでレベリングはまだだろ?」
「俺たちと一緒にやったほうが早いって」
周りを取り囲むようにして俺は行く手を阻まれ、移動することすらままならなくなってしまう。
俺はここは穏便に済ませた方がいいと考え、仕方なく口を開く。
「すみません。これから用事があるんです。どいてもらえませんか?」
「そんなこと言わずに俺たちと一緒に行こうぜ」
「譲ちゃんは早く強くなれる。俺たちはパーティーに花が出て、やる気が出る。まさにウィンウィンじゃねぇか」
「ウィンウィン、ウィンウィン。いいことじゃねぇかよ」
「まあ、ちょっとお礼は必要かもしれないけどな。俺たちみたいな強いやつらの中に入れてもらえるんだし」
俺の右側にいたやつがそういうと、周りのやつは全員でギャハハハハと大声で笑う。
俺は少し考えると、
「いえ、これから待ち合わせなんです。急いでますので」
ナンパに対する断り文句の定形文のようなものを使いその場から離れようとした。
「そんなつれないこと言うなよ」
「どうせならその待ち合わせのやつも一緒に誘っていいからさ」
「それな」
だが、相手もまさにテンプレ通りの返しをする。
そろそろ俺はうっとうしく感じるようになってきた。どのように対処すれば良いかと思考をめぐらせていると、
「おーい、遅いよ~」
奥から、見知らぬ女性が走ってきて俺に話しかけてきた。
もしかしなくても、俺がナンパされてるっていう光景だったよな…
俺がそのことに気づくとほぼ同時に、走ってきた女性に手をつかまれ、引っ張られる。
「すみません。私の連れなんで」
女性はそういうと、その場から俺を連れ出した。
こんにちはyoshikeiです。
今回も最後まで読んでくださりありがとうございました。
今回はリク君が女性と間違えられて、ナンパをされると言う回でした。
まあ、新キャラを登場させるための回でもあったんですけどねww
そんなこんなで、次回リクを助けた女性の正体が明らかになります。
今後ともよろしくお願いいたします。