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「えっと、飼っても良い?」
フェルネが
ペットを
連れてきた。
頭の中でそんなテロップが表示された。
フェルネの腕の中にはぬいぐるみのような小さい竜がいた。
「飼うって、どうするんだ?」
「ちゃんとお世話するから!」
「いや、そういうことじゃなくてな。別に飼うのはいいんだよ」
「いいの!?」
「まあ、悪いことはないはずだしな。でも、どうやってフェルネがそいつを飼うんだ?」
「え? 知らないの?」
「なにをだ?」
「牧場とかでもテイムされてるモンスターが世話をしてるってこともあるんだよ?」
「そうなのか。で、それとこれと、どんな関係が?」
「だから、テイムされたモンスターでも他のモンスターをお世話できるんだよ」
どうやら、フェルネがペットを飼うことは出来るようだ。
まあ、見たことはないが牧場などでも犬が指揮をするとかあるし、不自然とまではいかないんだろう。
「わかった。でも、俺が寝てるときとか、フェルネを送還してるときはどうするんだ?」
「そのときは、私と一緒に送還されると思うよ? それで、私が召喚されたときに一緒に出てくるかな? リクのホームがあれば、そこでお世話できたんだけどね」
「じゃあ、今すぐに買うってのは無理だと思うけど、見に行くか?」
「いいの?」
「もちろん。まあロアは、頑張ってためれば済む話だ」
「うん!」
「じゃあ、街に戻るか」
俺はそういうと、称号をOFFに切り替え、街へと向かった。
その途中でフェルネのつれているモンスターの話になり、名前がないと不便だと言うことで、「ティアリー」と名づけられた。
街に着くと、俺はクアドルの街でバックを作れるということを思い出した。
「フェルネ、先にマジックバックを造りに行かないか?」
「あ、そういえば、前にその話もしたね。すっかり忘れてたよ」
「俺も今思い出したんだが、どうする? 先に家を探すか?」
「ううん。バックの方が早く欲しいから、家は後でいいかな」
「アイテムボックスは共有してるけど、戦闘中にすぐに取り出せるようになるなら、2つ作ってもらうか。教えてもらったときの用途とは少し違うような気もするけどな」
「そうだね」
俺たちはそう言って笑いながら、バックに関連のありそうな店を探して歩いた。
そして、街の中心部に近づいたころで、鞄の柄の看板を見つけた。
その看板のついている店の前まで歩いていくと、その店はとても暗く今にもシャッターが閉まりそうな雰囲気だった。
「この店、大丈夫か?」
「わからないけど、閉店してるわけじゃなさそうだから、一応入ってみよ?」
「そうだな」
そうして、俺とフェルネとティアリーは暗い店の中へと入っていったのだった。
こんにちはyoshikeiです。
今回も最後まで読んでくださりありがとうございました。
なんとか2日連続で投稿することができました。
今後ともよろしくお願いいたします。