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「ふぅ。落ち着いたから、そろそろ行くわ。部屋貸してくれて、ありがとな」
俺はそう言ってアクタの家を出た。
「さてと、早くクエストを進めるか」
俺がそう呟くと、耳と尻尾を引っ込めたフェルネが話しかけてきた。
「ねぇ、りくって今からルコさんのところにいくんだよね?」
「ああ、そうだな」
「なにか作るっていってたけど、それはいいの?」
「まあ、今はまだできないからな」
「じゃあ、作るときになったら、わたしにも手伝わせてね?」
「ああ、その時には頼む」
「うん!」
そんな話をしながら、俺たちはルコさんのいる雑貨屋に向かった。
そして、雑貨屋の前についた。
「フェルネ、店のなかに入るから、一旦戻ってくれ」
「わかった」
「“休息を与えよ。九尾ノ狐、フェルネ”[送還]」
俺は詠唱をして、フェルネを送還した。
そういえば、まだ、買いそろえてないものがあったな。
そんなことを考えながら、雑貨屋に入った。
「いらっしゃーい。あ、お嬢ちゃんじゃないかい」
「ルコさん。。こんにちは」
「ああ、こんにちは。今日はどうしたんだい?」
「ちょっと、道具がほしくなりまして。あと、イコタさんの報告も」
「そうかい、そうかい。なら、イコタについては後で聞こうかねぇ。ゆっくり見ていきな」
「はい。ありがとうございます」
俺はルコさんにそう言うと、生産用道具の置いてある棚に向かい、その中から一通り選んで買った。
「さて、ここで立ち話するのもなんだから、店の裏にいらっしゃい」
「はい」
俺はルコさんにつれられて、店の奥へと歩いていった。
「ああ、適当に座ってもらっていいからね」
「ありがとうございます」
俺はルコさんに促され、ルコさんと机を挟むようにして対面に座った。
「さて、じゃあ、イコタについて聞かせてもらおうかねぇ」
「わかりました」
俺はそう言うと、ルコさんにイコタに関することを話していった。
「へぇ、そんなことがあったのかい」
「ええ。イコタさんはルコさんのことをまだ心配していました」
「ありがとねぇ」
「それで、その娘さんを預かったのですが」
「ほう、それはそれは」
「召喚しても?」
「ああ、いいよ」
「では、“今ここに現れよ。九尾ノ狐、フェルネ”[召喚]」
俺が詠唱を終えると、目の前がひかり、フェルネが正座をした状態で召喚された。
「こんにちは、ルコさん。フェルネって言います。よろしくお願いします」
フェルネはルコさんにそう言うと、お辞儀をした。
こんにちはyoshikeiです。
今回も最後まで読んでくださりありがとうございました。
今後ともよろしくお願い致します。
あれ? いつのまにか80話目を越えてる・・・