08
パシャッ!
しばらく乱射を続けていたら、的にしていた木が砕けて消えた。
視界の左上の場所にある時計を見ると、あれからまた30分ほどたっていたようだ。
そして、的にしていた木が消えてから数秒後、目の前に新しいウィンドウが3つ表示された。
そのウィンドウには
《エルダートレントを討伐しました》
《レベルが上がりました》
《新たな称号を入手しました》
《ドロップアイテムを入手しました》
と書かれていた。
レベルやドロップは説明書に書いてあったためわかるが、称号ってなんだよ。
称号については全く知らなかったのでなんのことだろうと悩んでいると、アクタに“ わからないことがあったら何でも聞け ”と言われていたこと思いだし、さっそくフレンド画面からチャットでアクタを呼び出した。
『おお、リク。どうしたんだ?さっきあったばかりだろ?』
「アクタか。いや、称号ってのが手に入ってな、聞いたことがなかったから、説明してもらおうと思った」
『は?』
「あれ?聞こえなかったか?」
『いや、聞こえたよ。そうじゃなくてな、それはどういうことだって意味だ』
「敵を倒したら称号ってのを手に入れただけなんだが?」
『ちょっと待て、今どこにいる。そっちに行くから場所を教えろ』
「リジハマ高原の奥の方」
『それなりに近いか・・・。わかったすぐにつくと思うから見つけたら声をかけてくれ』
「わかった」
そう言って俺はアクタとのチャットを切った。
「あ、いた。おーい、アクター」
俺はキョロキョロと回りを見ながら歩いてくるアクタを呼んだ。
すると、アクタは慌てたように駆け寄ってきた。
「おいリク!あれのことは誰にもいってないだろうな!」
「あれって、称号のことか?」
「当たり前だ!ここにはほとんど人がいなかったからよかったが、町のなかだったら大変なことになっていたかもしれないんだぞ!わかってんのか!」
「ちょっと、アクタは落ち着け。そして胸ぐらをつかむな。なんか変な感じがする」
いきなり、俺の胸ぐらをつかみかかってきたアクタをなだめながら、話を続けた。
「で、何が大変なんだよ」
「悪い。慌てすぎた。その前に今のPTメンバー呼んでもいいか?ちょうど、PT組んで狩りしてたんだ」
「俺はいいが、早く説明してくれ」
「ああ、わかった」
アクタはそう返事をすると、チャットを使い他のメンバーを呼んだ。
しばらくすると、アクタの他のPTメンバーがこっちに向かってくるのが見えた。
「おーい、ここだ~」
アクタは大声で呼んだ。フィールドのマップはないのだろうか。
こんにちはyoshikeiです。
今回も最後まで読んでくださりありがとうございました。
できる限りは、この連日投稿を続けていきたいと思いますので、今後ともよろしくお願い致します。
次回の投稿は4月29日午前9時です。