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なんと、50話目!
いつもありがとうございます。
ドスンッ! ドスンッ!
前方の森の奥から、何者かの足音がだんだんと大きくなりながら聞こえてきた。
「ヴガァァァァァ!」
《ティドライノ》
恐竜のような姿をした大きなモンスターが現れ、叫び声と共に、ボスの名前が表示された。
「勝つぞ!」
「おう!」
「うん!」
アクタは自分の武器を持ち、フェルネは単身でボスに突っ込んでいった。
俺は矢をつがえ、
「大きいやついくぞ!」
といって、[火矢]の詠唱を始める。
「“話が矢に火をまとわせよ。敵を突き刺し燃やし、火をまとわせよ”[火矢]」
ヒュッ・・ズドォォォォン!
「[ヘイトコレット]!」
俺の[火矢]が着弾した数秒後、アクタがヘイトを集めるアーツを使用した。
ティドライノはノックバックから回復すると、アクタに攻撃をしようと狙いを定めた。
「二人とも! あの敵の属性は水だ! 属性の弱点はたぶん風! ただし、背中は属性が風で弱点属性は火! 目はウィークポイントになってるはずだ! 出来る限り弱点を狙ってくれ!」
アクタが叫ぶ。
「いくよ! [孤拳風陣]!」
フェルネの放ったアーツがティドライノに当たる。
「ウガァァァァァ!!」
ティドライノは叫ぶと、からだを思いっきり捻った。
「リクはポーションを準備して、攻撃が当たったら回復できるようにしてくれ!」
「わかった!」
「フェルネさんは飛ぶか後ろに移動して攻撃を回避!」
「了解!」
俺は矢を射る手を止め、ホルダーベルトからポーションをとりだした。
その時、ティドライノが尻尾でなぎ払った。
アクタは回避したが、フェルネは反応が間に合わず、攻撃が当たってしまった。
「そういうことか!」
俺はアクタのいっていたことがわかり、ポーションを投げようとしたが、当たる気がしない。
そこで、ヒールをフェルネにかけるため詠唱を開始した。
「“我が仲間フェルネの傷を癒せ”[ヒール]」
《解放条件を満たしたため、コネクトアーツ“回復属性魔法弓”が解放されました》
ヒールはなんとか当たり、フェルネのHPは4割位から8割位まで回復された。
目の前にそう表示された。きっと、回復魔法のスキルレベルが5を越えたのだろう。
今このアーツを使う訳にもいかず、俺はそのまま矢を射り続けた。
「りく、ありがと!」
「おう!」
フェルネにお礼を言われそれに応えながらも、自分のMPを確認すると、なんとか[火矢]を射てるくらいまでは回復していた。
「もう一回いける! 今から20秒後に[火矢]を射つ! アクタは着弾後にあのアーツを使ってくれ!」
「わかった!」
「フェルネはそれまで敵を引き付けて! アクタがアーツを終えたら、すぐに最大火力でアーツを使ってくれ! それでボスのHPは2割位にはなるはずだ!」
「うん!」
俺は二人に指示をして、詠唱を始めた。
「“我が矢に火をまとわせよ。敵を突き刺し、炎をまとわせよ”[火矢] アクタいまだ!」
「おう! [ヘイトコレット]!」
アクタがアーツを終えると、フェルネがティドライノに近づき
「[孤拳風陣]!」
アーツを直撃させた。
こんにちはyoshikeiです。
今回も最後まで読んでくださりありがとうございました。
今後ともよろしくお願い致します。
次回の更新は5月26日午前9時です。