48
俺たちはボスの前のセーフティーエリアに来ていた。
「リク、準備は終わったか?」
「フェルネ次第かな」
「やっと召喚するのか」
「まあ、他の人に見られたくないからな」
「隠すなら徹底的にやった方がいいとは思うが、流石にやりすぎじゃないか?」
「まあまあ、じゃあ出すぞ」
「おう」
「“今ここに現れよ。九尾ノ狐、フェルネ”[召喚]」
俺が詠唱を終え発動すると、目の前が光だした。
登場方法はフェルネが選んでやるみたいだな。
そんなことを考えながら、登場するまでを見ていると、
「りくー!」
フェルネは俺に飛びかかってきた。
「わっ! フェルネ! 離れろ!」
「え~、なんで~」
フェルネはいっこうに離れようとしなかった。
「リークー」
その光景を見ていたアクタは、怒ったような声で俺を呼んだ。
「ほら、アクタが呼んでるから、フェルネは一回離れてくれ」
「ぶー、わかったよぅ」
フェルネは頬を膨らませながらもやっと離れてくれた。
「お前は男だっていってただろ! だったらなんでこの子とそんなにくっついているんだ!」
「それはフェルネに言ってくれ」
「え? わたしですか?」
フェルネに話を振ったのだが、どうやら状況がよく理解できていないようだった。
その時アクタが、フェルネに話しかけた。
「えっと、フェルネさん? でいい?」
「あ、はい。いいですよ?」
フェルネは俺以外の人と話すときは、少し他人行儀になるようだ。
もしかして人見知りでもあるのか?
そんなことを思ったが、口にはしなかった。
「フェルネさんはどうして、リクに抱きついたんだ? これでも一応男だろ?」
「そうですね。でも、わたしはあまり気にしてませんよ? だって、どんな状態であろうともりくはりくですから」
フェルネがそう言ったとたん、アクタは俺を思いっきり睨み付けた。
「まあ、話はここで切り上げて、さっさとボスにいかないか?」
なぜか、このまま話を続けさせてはいけないような気がしたので、話をそらすことにした。
「りく、ボスに挑みに行くの?」
「ああ、それでフェルネにも協力してほしいんだが、いいか?」
「もちろん!」
フェルネは笑顔でかえしてくれた。
「ま、仕方ない。さっさと行くぞ。早くしろ」
アクタはイライラしながら、俺たちを急かした。
俺としては待っていた方だから、急かされるのはおかしいと思うが、触らぬ神になんとやらだ
そして俺たちは、ボスのフィールドへと入っていった。
こんにちはyoshikeiです。
今回も最後まで読んでくださりありがとうございました。
今後ともよろしくお願い致します。
次回の更新は5月25日午前9時です。
まずい、終わりが見えなくなってる・・・