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「アクタ、どうした?」
俺はうなだれているアクタに声をかけた。
すると、ガバッと聞こえそうなほどの勢いで起き上がり、掴みかかってきた。
「隠しクエストで裏付きのクエストとか、俺にはできねぇじゃないかよ!」
「なんでだよ。普通に出来るだろ? 一応ゲームなんだから」
「いや、隠しクエストや裏付きは発動条件がかなり厳しいんだよ!」
「いい加減い落ち着け、それと裏付きってなんのことだ」
掴みかかってきているアクタが鬱陶しくなり、なだめるがなかなか落ち着かない。
「テメェばかりいい思いしやがって! 俺にもその幸運を分けやがれ!」
「うるさい、顔が近い、それといい加減に手を離しやがれ」
アクタは今まで俺に掴みかかっていることを忘れていたようで、悪いといってすぐに離した。
「すまん。胸がなかったから掴んでいることを忘れていた。このペッタンコめ」
「胸なんざあってたまるか!」
最後の言葉は小さな声で言われたが、しっかりと聞き取れた。ゲームの補正だろうか。
「で、裏付きってなんのことだ?」
「ああ、裏付きってのはな、クエストの後に裏ってついてるクエストのことだ。
通常のクエストとは違って、発動条件がかなり厳しく作られているが、クエストの内容が少しだけ違うんだよ」
「そうなのか」
「そうなんだよ。なにか特別なことでもしたような覚えはあるか?」
「いや、心当たりはない」
「本当か? 頼まれたこと以外になにかやってないのか?」
俺は少し考えると、あった。
「そういえば、クエスト中に腰痛に聞く薬を渡したな。腰の調子が悪いって聞いていたから、調合でできた薬に腰痛に聞くものがあったから、それをあげた」
「それだ」
「薬のことか?」
「たぶんな。その話を聞いた上で、薬を渡すことが前提条件なんだろう」
「へぇ。よく分かるな。全く考えずにやってたから俺はわからないが」
「まだそんなに攻略が進んでいない状態で、あんなモンスターをテイムしたと知られたら、かなり騒がれるだろうな」
「だったら、隠しておいた方がいいと?」
「いや、バレないようにしろってことだ。その情報を無理矢理聞きだそうとしてくるやつもいるだろうからな」
「わかった。気を付ける」
「それと、一ついいか?」
「なんだ?」
「その情報を攻略サイトにのせれば、多少は聞き出すとかは減ると思うが」
「それはアクタがやってくれ」
「おいおい、普通は見つけた人が書き込むものだぞ」
「いや、俺はめんどくさい。それにサイト自体を知らない」
「はぁ、わかった。俺がのせておこう」
「頼んだ」
「よし! じゃあ、ボスに挑みにいこうぜ!」
「やっぱり、今から行くのか」
「もちろん」
アクタは自信満々にいった。
俺はそんなに攻略を急ぐ気はないんだがな・・・
こんにちはyoshikeiです。
今回も最後まで読んでくださりありがとうございました。
なんとか予定通りに投稿ができました。
今後ともよろしくお願い致します。
次回の更新は5月24日午前9時です。
あれ!?このままだと、この章かなり続かねぇか!?