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「どうしたー、なにかあったのかー」
俺が、棒読みで心配したふりをしてやると、アクタが呆れたように話始めた。
「どうしたもこうしたもない! なんだよその気の抜けた返事は!
お前は俺の幼馴染みだろ! そして、今は女なんだぞ!
だったら、せめてちょっとは心配しろよ!」
こいつは俺にいったい何を求めているのだろうか
「そんなことをする気はないし、必要もない。そして、俺は男だ」
「いいじゃんかよ。どうみたって美少女なんだからさ」
アクタがそんなことをいってくる。
そんなとき、ふと称号のことをおもいだした。
そういえば、称号のなかに容姿を変えられるものがあったような。
そう思い、アクタの声を尻目に称号の説明を眺めていると、数秒で見つけることができた。
・新しい生き方はどうですか?
この称号の説明に、容姿や種族を変更することが出来るとある。
「よっしゃ!」
俺は、アクタがいることを忘れ思わずガッツポーズをしてしまった。
「おい! 聞いてんのか!」
あ、アクタの話全然聞いてなかった。
「わりぃな、全然聞いてなかった」
「なんだと!」
「どうせ、幼馴染みはこうだ~! とか言ってただけだろ? いいじゃんかよそれくらい。もう聞きあきたっての」
「うっ、その通りだから反論できねぇ」
アクタはそう言うと、落ち着いたようだった。
「まあ、いいや。本題に戻ろうぜ」
「わかった」
「で、どうしてあんな美少女がお前のテイムしたモンスターなんだ?」
「それはな、クエストをやっていたら、成り行きでそうなっただけだ」
「成り行きってお前な、せめてもう少し詳しく話せないのか?」
話そうと思えば話すことはできる。だが、俺としてはかなりめんどくさかった。そのため、アクタにある一つの条件を出すことにした。
「じゃあ、クアドルの街に連れていってくれ」
「なんだ。そんなことか。
もちろんいいぜ。というか、次の街がそうだぞ?」
アクタはあっさりと条件を飲んでしまった。
もう少し難しいものなのかと思ていたけど、そうでもないようだ。
「リクはいつ行きたいんだ?
なんなら説明してもらった後、すぐに行ってもいいぜ? どのみち挑戦するつもりだったんだ。それに、お前もそれなりに強くなってるんだろ?」
「まあ、そこそこな」
「よし、じゃあ決まりだな」
どうやら、話終わったらボスに挑戦することになったようです・・・