42
本日はこれで最後です。
明日も連続で投稿します。
「結果だけを言うと、魔族はいなくなりました」
話をしているフェルネはとても悲しそうだった。
「魔剣の噂が一人歩きしたんです。
魔族を使えば魔剣が作れる。
そんな噂があった時代があるんです。
その噂に踊らされた者は大勢いました。その結果、魔族は姿を消しました。きっともうすでに絶滅しているんじゃないか、とも言われています。」
「そう・・・だったのか・・・・・」
俺は悲しくなった。
フェルネは言葉を濁したが、噂だけで、そんなことをする人間もいただろう。
もちろん、ゲームの中の御伽話だと割りきってしまえばそれで終わりだが、俺にはできなかった。
「ちょっ、ちょっと、泣かないでくださいよ。確かに悲しい話ではありましたけど、ここで泣かれるとヤバイですって。りくは男だって毎回言ってますけど、見た目はどうみても女なんですから。ここで泣かれるとわたしが泣かしたみたいじゃないですか」
フェルネがそう言った。
どうやら俺は知らないうちに泣いていたようだ。
「悪い」
俺はそう言って涙をぬぐった。
その時だった。
俺の耳に「仕方ないですね」と聞こえたと思ったら、体がふわりと何かに包まれたような気がした。
「わたしが泣いたときによくお母さんがしてくれました。
お母さんに抱き締めてもらったとき、とても安心するんです。
わたしはりくのお母さんじゃないですけど、これくらいはさせてください」
フェルネがそう言った。
どうやら俺はフェルネに抱き締められているようだった。
「ありがと」
俺は小さな声でそう言った。
「いえ、幸いここならほとんど人もいませんから、泣いてもいいですよ。
泣き顔は見ないであげますから、この際ですから思いっきり泣いてください」
フェルネにそういわれると、俺はさっきよりも激しく泣き出した。
フェルネはそんな俺の頭を、「よしよし、大丈夫、大丈夫」と言いながら優しく撫で続けた。
しばらくして、冷静になったのか泣き止むことができた。
「ごめん」
「どうして謝るの?」
「そうだな。フェルネ、ありがとう」
「はい。どういたしまして」
フェルネは特に気にしたようすもなく、笑顔でそう答えた。
「それで、何があったのか聞いてもいい? 人に話すと気持ちが軽くなることもあるでしょ? 正確にはわたしは人じゃないけどね」
「そうかもしれないが・・・」
俺はすこし口をつぐんだ。
「無理に話さなくてもいいよ。
話したいときに話してくれればいいから。
何でも聞くよ。りくはわたしの仲間なんだから」
「ありがとな、フェルネ」
俺は再度俺をいった。
「じゃあ、聞いてもらってもいいか?」
「もちろん」
フェルネは笑顔で言った。
こんにちはyoshikeiです。
今回も最後まで読んでくださりありがとうございました。
前話にも書きましたが、本日はこれで最後です。
5話投稿するはずが、こんなことになってしまい、すみませんでした。
明日も連続で投稿出来るように頑張りますので、よろしくお願いします。