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「よし。じゃあ、作ろう」
魔王はそう言いました。
魔王はまず素材の話をしました。
すると家臣たちは、頭を抱えました。
なぜなら、素材が高すぎたからです。
家臣たちがその事を魔王に伝えると、今度は魔王が頭を抱えました。
そして魔王は家臣たちに
「魔法使いの杖の素材はなんだっけ?」
と聞きました。
その質問に一人の家臣が答えました。
「安いものは木で出来ています。そこから杖に魔石がついたり、素材が木からオリハルコンなどの貴重な魔法金属に変わるにつれ値段が上がっていきます。また、素材を木から魔法金属に変える中間としては、中心部に魔物のからだの一部や魔法金属を糸のような状態にして入れるということがあるようです」
その時、家臣の一人がふと閃きました。
「じゃあ、芯に魔物のからだの一部をいれた木刀を試作に使おう」
魔王はそれは名案だとその家臣を誉めました。
実際にその木刀は作られました。ですがなかなかうまく行きませんでした。
「ああ、どうして成功しないんだ」
魔王は言いました。
それからというもの、魔王は暇を見つけては様々な素材を試していきました。
そして長いときが流れたころ、ついに魔法が使える剣を作り出すことができました。
魔王は両手をあげて喜びました。
その剣は木でできていましたが、風の魔法が使えたため、様々なものを切ることができました。
その剣ができてから、さらに月日が流れました。
魔王は年老いていました。
その頃、世界中であの魔法が使える剣が有名になっていました。
その剣は魔剣ファレイと呼ばれ、大勢の者が欲しがりました。
その結果、戦争が起きてしまいました。
魔王は自分が作ったもので、戦争がこるくらいならこんなものは無くしてしまった方がいいと考えました。
ですが、あの魔剣は最初に作ったもので、魔王にも思い入れがありました。
そこで魔王は、魔剣ファレイを迷宮に封印することにしました。
魔王は空を飛ぶ城を作り、その中を大きな迷宮に作り替えました。
そして、魔剣ファレイをその迷宮の最新部に封印しました。
魔剣ファレイは今もなお浮遊城に閉じ込められているのです」
話を終えたフェルネは、ふぅ、と一息ついた。
「こんな話です。りく、どうでした? 面白かったですか?」
「ああ、ありがとな、フェルネ」
「いえいえ」
「それで、一つ聞いてもいいか?」
「いいですよ。なんですか?」
「魔族って今はどうしてるんだ?」
俺がそう聞くと、フェルネはすこし残念そうな顔をして話始めた。
こんにちはyoshikeiです。
今回も最後まで読んでくださりありがとうございました。
今日、5話投稿するといっておきながらあと1話しか投稿できそうにありません。
残りは明日投稿します。