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「うわっ!」
転移台のなかに足をいれると、いきなり足を水溜まりのなかに引っ張り込まれた。
ゴツン!
その直後、俺は尻餅をつきながら別の場所にいた。
「いてて・・・」
辺りを見回すと、数人だが人がいた。
どうやらここは展望台のようだった。
「ここが展望台か・・・」
そんなことを呟きながら、フェルネを召喚するためにウィンドウを開く。
そこでふと気づいた。
あれ? そういえば、アクタは俺がテイムしたって言ったときにかなり驚いてたよな?
もしかして、ここで出すと驚かれる?
そう考えた俺は、他の人に見えないような場所を探し、移動した。
「“今ここに現れよ。九尾ノ狐、フェルネ”[召喚]」
詠唱をしてフェルネを呼び出すと、どこからか煙がわいてきた。
「呼ばれて飛び出てジャジャジャj「言わせんぞ」
そんな声をだしながら、フェルネが出てきた。
どうやら、召喚エフェクトだったようだ。
どこからこのネタを持ってきたのだろう。俺は再放送としてテレビでやっていたのをみたことがあり、一応は知っていたが、フェルネはインターネットに接続することができたりするのだろうか。
「もう、それくらい最後まで言わせてよ」
「だめだ。危なすぎる」
「ケチ」
「どこからそんなネタを拾ってくるんだよ」
「ん? なんのこと?」
「さっきの台詞」
「え? あれはお母さんが使ってたんだよ?」
「Oh・・・」
俺は頭を抱えて、うずくまった。
イコタさんは一体何をやっているんだ・・・
「ねえ、りく。そんなことよりもさ、ここって展望台の上?」
フェルネがそう聞いてきた。
「ああ。たぶんそうだ。まだ景色とか見てないから、俺もよく分からないがな」
「りく、ありがとう!」
そう言ってフェルネが抱きついてきた。
「離れろ、暑い。痛い」
抱きつかれるのはいいが、もとの姿の狐の状態であればモフモフで可愛くて気持ち良さそうなのだが、人の姿のフェルネは無いのだ。もろもろの配慮で明確には言わないが、かなり控えめな方だった。
そのことを言われたのだと気づいたフェルネは、
「りく、ひどい。自分にはわたしよりもあるからって!」
「いや! ないからな!」
すねるようにそう言った。
「てか、俺は男だ! あってたまるか!」
「りくはまだそんなことをいてるんですね。どうみても女じゃないですか」
「システムの誤認だ!」
「? システムってなんです?」
そこは知らないのかよ!
「まあ、いいや。ほら、さっさと見に行くぞ」
フェルネにそう言って、展望台の開けた方へと歩いていくと、
「あ、待ってくださいよ~!」
と言いながら、走って追いかけてきた。
こんにちはyoshikeiです。
今回も最後まで読んでくださりありがとうございました。
本日は先週の総合評価1000pt達成記念としてなるべく多くの投稿をしたいと思います。
最低でも、あと3話は投稿が出来るように頑張ります。
今後ともよろしくお願い致します。