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そして今
「次! 攻撃来るぞ!」
「じゃあ、受け止める!」
「んな無茶な!」
ズドォォォン
「りく! 全力でやって!」
「わかってる!」
俺は脳内で[ファイヤーボール]の詠唱した。そして、
「フェルネ!“我が矢に火をまとわせよ。敵を突き刺し燃やし、炎をまとわせよ”[火矢]!」
早口で[火矢]の詠唱を終え、ほぼ同時には射った。
ボウッ!
ウガァァァァァ!!
二つの攻撃が当たると、ボスのHPはかなり少なくなっていた。
「りく! ラストアタックしっかりね!」
「おう! わかってるって!」
俺たちはそんな軽い会話をしながら、ボスと戦っていった。
「フェルネ!」
「わかった!」
俺はフェルネに合図し、一斉攻撃を仕掛けようとしたその時、
ウガァァァァァァァァ!!!
「スタン!? きゃぁぁぁ」
「フェルネ!!」
ボスはいきなりスキルを使ってきた。
そのせいで、フェルネがかなり大きなダメージを食らってしまった。
「今回復する!」
その時だった。
「りく!!」
フェルネが俺の名前を大声で呼んだと思ったとき、思いっきり吹き飛ばされた。
「うぐっ」
俺はとっさにポーションをとりだし、服用した。
「りく! 大丈夫!?」
フェルネがすこし離れた場所から駆けてくるのが見えた。
フェルネのHPバーを見ると、回復されていた。戦闘前に渡しておいたポーションを飲んだのだろう。
「大丈夫? りく」
「ああ、大丈夫だ」
俺はそう言って立ち上がった。
ふとボスのHPバーを確認すると、なんと、ボスが回復を始めていた。
きっと、HPが減った状態で放置した場合に起こるあのボスの特殊スキルだろう。
「フェルネ、ボスが回復を始めてる。ここから一気に畳み掛けるぞ」
「わかった。りくがそういうなら、わたしはそれに従うよ」
「頼んだ」
「うん」
「いくぞ!」
俺がそう言うと、フェルネは一気に飛び出した。
「[孤拳風陣]!」
ゴウッ!
「[火矢]!」
ズドォォォォン!
連続で当たったためか、ボスが後ろに倒れた。
「フェルネ!」
「うん!」
「[火矢]!」「[孤拳火炎陣]!」
ウガァァァァァァアア!!!
俺たちの技が当たると、ボスは大声で叫びポリゴンとなって消えた。
「「おわったー」」
俺たちはボスを倒した直後、後ろに倒れ込んだ。
俺とフェルネはお互いの方へとごろごろところがり、移動した。
「やったね。りく」
「ああ、なんとかなったな」
「うん!」
そして、二人とも盛大に笑ったのだった。
こんにちはyoshikeiです。
今回も最後まで読んでくださりありがとうございました。
今後ともよろしくお願い致します。
次回の更新は5月18日午前9時です。