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なんとか投稿できました。
「りく、そんなことよりも早く行こうよ」
フェルネは九本の尻尾をゆらゆらと揺らしながら、話しかけてきた。
気づくとフェルネはかなりうずうずしたようすだった。
街に早くいきたいのだろう。
「わかったよ」
フェルネにそう返して、また街へと向かい始めた。
「フェルネ!」
「わかってる![狐火]!!」
俺とフェルネは今、徘徊型ボスMOBと戦っていた。
~今から5分前~
俺たちは街に向かって色々会話をしながら、たまに出てくるモンスターを倒して歩いていた。
街の東の門がはっきりと見えるようになってきた頃、
「ねぇ、あのモンスターって今までに見たことある?」
と斜め前を見て言った。
フェルネの見ている方向へと顔を向けると、かなり離れているにも関わらずはっきりと見えるくらいとても大きなモンスターが、こっちに向かって歩いていた。
「いや、見たことがない。ここからでもはっきり見えるとなると、身長は10mくらいか」
「そんなに大きいってことはボスMOBかな?」
「え? ここら辺に徘徊型のボスMOBがいたのか?」
「ん? もちろんいるよ?」
ふと気になって、そのモンスターの方へ目を向けた。
どうやらそんな話をしているうちに、巨体は100m位のところまで近づいていた。
「残念ながら、そんな話をしていられる時間も、もうすぐで終わりのようだな」
「そうみたいだね」
「そうだ。先にこれを渡しておく」
俺はフェルネにポーションを渡した。
「ん、ありがとう」
フェルネはそのポーションを服のポケットへとしまった。
そんな場所にいれておいて瓶は割れたりしないのか?
そんなことが気になった。
「いくぞ!」
「うん!」
「“我に筋力の恵みを与えよ[付加Str]”」
俺は自分にエンチャントをかけ、モンスターに向かって矢を射った。
ヒュッ・・・ザクッ
ウガァァァァァ!!
矢が当たると、そのモンスターは大きな声で叫んだ。
「来るぞ! さっきの打ち合わせと同じように頼む!」
「わかってる!」
俺たちは臨戦態勢に入り、フェルネが前衛、俺が魔法と弓で後衛をすることになている。
フェルネは20mくらいまで近づくと、
「[孤拳火炎陣]!」
といって、アーツを発動させた。フェルネの手には狐の形をした炎が火がまとわりついていた。
ズドンッ!
フェルネのアーツが当たると、ボスのHPバーは2本あったうちの1本が3割ほど削られていた。
「フェルネ! 魔法弓を使う!」
「わかった!」
俺はフェルネにそう言って、詠唱をし、射った。
「“[火矢]”」
ボウッ!
ウガァァァァァ!
火矢が当たるとボスは叫び、HPバーはさらに2割ほど削れ、ボスは火傷になった。
どうやら単純な攻撃力はフェルネの方が強そうだった。
こんにちはyoshikeiです。
今回も最後まで読んでくださりありがとうございました。
今後ともよろしくお願い致します。
次回の更新は5月17日午前9時です。