表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
初期設定をよく確認せずに始めたら、ネカマするはめになった・・・  作者: yoshikei
~次の街と生産スキルと隠しクエスト~
29/115

28

「まず、なんでウチの名前を知っとるんや」


 イコタはかなり怖い顔でそう言ってきた。


「まさかルコさんを脅したんやなかろうなぁ」


 笑顔で言われたが、その笑顔がものすごく怖かった。


「そんなんじゃない。というか、ルコさんにイコタが何をしているのか知りたいって言われて、探しに来ただけだ」

「なんや。そう言うことか」


 どうやら戦うことにはならないようだ。


「じゃあ、次、アンタはルコさんとどんな関係や」

「雑貨屋の店主と客、依頼主とその依頼を受けた冒険者、しがない調薬師とその薬の使用者って感じだろうな」

「ほー。どうやら嘘は言ってないようやな。なら、最後の質問や」


 最後の質問と聞いて、俺はゴクリと喉をならした。

 その場に緊張が走る。


「ルコさんの調子はどうなんや?薬の使用者っていってたが、どこか悪いんか?」


 イコタの口から出てきたのはそんな質問だった。

 一気に緊張がとけ、ホッと息をはいた。


「ルコさんの事か。そんなに心配なら、会いに行って自分で確認すればいいだろ?」

「ほんなこと出来るわけがなかろう。人の姿であったこともないというのに」

「ルコさんならすぐに気づいてくれそうだがな」


 俺はそう言って笑った。


「わ、笑うな。ええい!それでどうなんや!さっさと教えんか!」

「わかったよ。ルコさんは普通に生活している。まあ、腰が悪いみたいで、なんとか生活できてるって言った方がいいかもしれないけどな。一応調薬が出来るから、腰痛に効く薬を渡しておいたが、効いているかどうかはわからない」

「そ、そうか・・・」


 イコタはホッとしたようだった。


「なあ、狐の姿に戻って会いに行くことはできないのか?」

「いや、できんわけではないんや」

「というと?」

「街のなかにウチらが入れん。入る方法がないわけじゃないんやが・・・」

「その方法は?」

「ウチらのようなモンスターはテイムされてへんと、街んなかには入れんのや」

「だったら連れていくぞ?」

「いや、出来ることならつれていってもらいたいんやがな、それができん」

「特別な理由でも?」

「もうすでにウチはテイムされて捨てられたんや」


 イコタは暗くなりながらもそう言った。


「だったら俺がテイムすればいいだけの話だろ?」

「それは無理や。なぜなら、一度テイムされたモンスターは他の者にテイムされることはできんからや」

「そうだったのか」

「だからウチが街のなかにいくことはできんのや」


 俺たちは沈黙に包まれた。

 俺は他に出来る方法を考えた。

 1つは思い付いているが、出来るかどうかが怪しかった。

 その策とはルコさん自身が街の外に出てもらうというものだった。

 ただ、ルコさんは腰が悪く歩くことが大変だろう。その状態であの雑貨屋から東の門まで歩くのはかなりきついはずだ。車イスが作れれば別だが、現状ではこの案はできないだろう。

  万策つきたか・・・

 俺はそう思った。

 こんにちはyoshikeiです。

 今回も最後まで読んでくださりありがとうございました。

 今後ともよろしくお願い致します。


次回の更新は5月12日午前9時です。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ