25
同日の夜
俺がログインすると、ゲーム内はもうすでに昼に近い時間だった。
「さてと、雑貨屋に行くか」
俺はまた、100r 払って宿屋を出た。
雑貨屋の前についた。
「やっぱりボロいな。ここ」
そう口にしながらも、雑貨屋に入っていた。
「こんにちは~」
「ああ、お嬢ちゃんいらっしゃい」
「あ、ルコさん。こんにちは。それと、私は一応男ですので、お嬢ちゃんはちょっと・・・」
「え?なに言ってんだい。どっからどうみても、きれいなお嬢ちゃんだよぉ」
「そ、そうですか・・・」
にっこりと笑顔で言われてしまった。
どうやらこのNPCは訂正不可のようだ。もっとも、クエストの終了や好感度の上昇によって呼び方が変わるかもしれないが、そこまで検証する気もないので気にしない方が良さそうだ。
「ルコさんに1つ聞きたいことがあったんですが」
「?どうしたんだい?」
ルコさんは首をかしげて聞き返してきた。
「畑に生えているものって、どうすればいいですか?」
「ああ、そういえば言ってなかったねぇ。あそこに生えているものはもう要らないものばっかりだから、あんたにあげるよ」
「そうなんですね。ありがとうございました」
ということは、燃やしてもいいってことだよな。
ん?
なんでルコさんはあげるって言ったんだ?
普通なら、捨てていいよって言うはずだろ?
!!そうか! あれはきっと何かの素材として使えるのかも知れん!
そう思った俺は走って畑に行き、すべての草をアイテムボックスにいれた。
その結果、かなりの種類の草が採れた。
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・石
・薬草
・赤いハーブ
・青いハーブ
・紫のハーブ
・黄色いハーブ
・緑のハーブ
・オレンジ色のハーブ
・緑色の草
・黄色の草
・赤色の草
・青色の草
・紫色の草
・朱色の草
・カブのようなもの
・ネギのようなもの
・大根のようなもの
・人参のようなもの
・生姜のようなもの
・茗荷のようなもの
・玉葱のようなもの
・アスパラガスのようなもの
・大葉(種)のようなもの
・赤紫蘇(種)のようなもの
・蒟蒻芋(種芋)のようなもの
・ジャガイモ(種芋)のようなもの
・里芋(種芋)のようなもの
・薩摩芋(種芋)のようなもの
・大豆のようなもの
・霊薬草
・不思議な草
・不思議な花
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この一覧は入手量が多い順で並べてある。
この一覧を見たとき、俺はものすごく残念な気持ちになった。
え?なぜかって?そりゃ野菜が普通すぎたからだよ。もうちょっとオリジナリティーのある名前にしようぜって思っちゃったんだよ。現実の名前そのまんまじゃねえか。「ようなもの」ってつければいいってものじゃないだろ。
そして、ほとんどの説明が食材アイテムとだけ書いてあったので、割愛する。~ハーブや~の草はシリーズもののようで、すべて同じことが書いてあった。
ただ、気になったものが3つある。
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霊薬草
買値500r
売値100r
素材アイテム
料理や調薬など様々な分野で使える
使い方はひとつではない
主な使い方はMPポーションの原料
不思議な草
鑑定不能
専門の人か鑑定スキルを使って鑑定しましょう
不思議な花
鑑定不能
専門の人か鑑定スキルを使って鑑定しましょう
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この3種類だ。
まあ、霊薬草はわかる。
だが、不思議な草や花は鑑定不能と出ていた。正体がなにか気になったので、さっそく鑑定スキルをとって見てみたものの、なにもわからなかった。レベルが足りないようだった。
「はぁ、仕方ない。これはアイテムボックスで眠らせとくか」
はぁ、ともう一度ため息をつくと、後ろから視線を感じた。
視線の方へと振り向くと、
「進みは順調かい?」
ルコさんがそう聞いてきた。
「はい。おかげさまで今日中には終わりそうです」
「そうかい、そうかい。そりゃありがたいねぇ」
それから少し話をしていると、昨日作った回復薬のことを思い出した。
「あ、ルコさん。腰がいたいっていってましたよね?」
「ああそうだねぇ。最近は特に腰がいたくてねぇ、家事をするのも一苦労なのさ」
「だったら」
そういいながらアイテムボックスから回復薬(朱草)を取り出し、「これどうぞ」といいながらルコさんに渡した。
「昨日作った回復薬です。ちゃんと効けばいいんですけど」
「あらまぁ、朱色の草の回復薬じゃないかい。これをくれるのかい?」
「はい。腰痛に効くようなので」
「なにからなにまでありがとねぇ。ほんと助かったよ」
ルコさんがそう言うと、ポーンという音と共にウィンドウが表れた。
こんにちはyoshikeiです。
今回も最後まで読んでくださりありがとうございました。
今後ともよろしくお願い致します。
次回の更新は5月9日午前9時です。
5月7日にアイテム紹介の金額表記をすべて削除いたしました。