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「あ、リクちゃん説明聞いてきた?」
「ああ。聞いてきた。あと、リクちゃんって呼び名なんとかならないか?」
「リクちゃんさっそく買い取り所に行こう!」
「あ、なんとかならないのか・・・」
ユウキは張り切って買い取り所に向かった。
最初のおしとやかで気弱そうなキャラはどこに行ったんだ・・・
ユウキは買い取り所の前にあるそこそこ広い場所にくると、俺のほうを向いてこう言った。
「で、なにを買い取ってほしいんだっけ?」
この人まさか、今なにを買い取ってほしいのか聞いてないことに気づいたのか?
「ああ、えっと・・・」
俺はメニューの中からアイテムボックスを開き、何があるのかを確認した。
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・上質で乾燥した木材 ×13
・初心者用ポーション ×9
・トロールの皮 ×1
・トロールの大剣
・生産のブレスレット
・農工セット
・調薬セット
・合成布
ーーーーー
あ、回収忘れてたけど、そこら辺はさすがゲームってところだな。ちゃんとアイテムボックスに戻ってる。
俺は変なところに感心しながら、一番売れそうなものを選んだ。
「えーっと、上質で乾燥した木材?ってのがあるからそれでも売ろうかと」
「はぁ!?」
ユウキはいきなり大きな声をだした。
「ど、どうしたんだ?」
「コホンッ。いや、さっき上質で乾燥した木材って言った?」
「ああ、そう言ったが、なんかまずかったか?」
「いえ、どこでその木材を手にいれたの?どう考えても、もっと先に進まないとドロップしないはずなのに」
ユウキはそう言った。
はじまりの草原で、木に向かって弓を射ってただけなんだが・・・
「まあ、ここで一度値段を聞いて、そこから値段を決めてね。現状だとかなりのレアアイテムだし、それを使った装備ならかなり強いものができると思うから、値段を吹っ掛けてもいいよ?ちなみに、NPCの買い取り価格は販売価格の1/5だからね」
「わかった。じゃあ、聞いてくる」
「行ってらっしゃ~い」
ユウキは吹っ掛けてもいいっていっていたけど、さすがに高すぎるのはダメだろうし、販売価格の1.1倍くらいが妥当か?
などと考えていると、俺は買い取り所の前に来た。
「こんにちは、買い取り所へようこそ」
「この木材の買い取り価格を教えてください」
「かしこまりました。少々お待ちください・・・・・この木材の買い取り価格は 2000r です」
「ありがとうございます」
「またのご利用お待ちしております」
俺は値段を聞いて少し驚いていた。
そんなにこの木っていいものだったのか!
エルダートレントはどこにいたっけな~、などと呑気なことを考えながら、ユウキのところへ戻るのであった。
こんにちはyoshikeiです。
今回も最後まで読んでくださりありがとうございました。
今後ともよろしくお願い致します。