20
俺は雑貨屋からでて、街のはずれに向かっていた。
幸いこのゲームは、街のなかであればPK等はできないらしい。
「さて、何が作れるのか確かめるか」
しばらく歩くと、ちょうどいい場所が見つかった。
その場所で俺はさっき買った合成布と調薬セットを取り出した。
合成布に意識を向けると、目の前にウィンドウが出た。
どうでもいい話だが、最近突然目の前にウィンドウが出ることが多くて、あまり驚かなくなった。
その中にレシピというものがあったので、覗いてみると初心者ポーションを2つ消費してポーションに作り替えるというものがあった。
とりあえず作ってみようと思い、俺はそのレシピを選択した。
『今から合成スキルのチュートリアルを始めます。
はじめに、使用器具の説明をいたします。
ここにある合成布は合成スキルを使用するために必要なものです。
他にも使い捨てである合成紙や自分のホームにつけることができる合成台等があります。
合成布に書いてある魔方陣を合成魔方陣と言います。この上に素材を置き、スキルを使うことで合成ができます。
この際、成功率はプレイヤーのステータスとスキルのレベルが関係します。
また、ステータスが高いと合成後の素材にプラス値がつくことがあります。
これで合成スキルのチュートリアルを終了いたします』
「・・・」
突然声が聞こえたと思ったら、いつの間にかチュートリアルが始まって、終わった。
まあ、やり方はわかったから良しとしよう。
それと、合成スキルはステータスが関係するのか。もしかしたら、生産系スキルは基本的にステータスが高いといいことがあるのかもしれないな。
よし、称号はONにしてからやるようにしよう。
そんなことを考えていると、
「あ、あの~」
後ろから突然声が聞こえてきた。
「は、はい!」
俺は驚いて、勢いよく返事をしながら振り向いた。
振り返ると、そこには女の人がいた。
頭上のマークの色を見ると、青色だったことから、プレイヤーであることがわかる。
どうやらもうすでにこの街にもそれなりの人数が来ているようだ。
「あ!ご、ごめんなさい!脅かすつもりはなかったんです!ただ、こんなところに人がいるとは思わなかったので、珍しくて声をかけただけなんです!」
彼女はあたふたとしながら、慌てたようにそういった。
「あ、自己紹介もしてなくてごめんなさい!私はユウキって言います!」
彼女はそういうと、勢いよく頭をさげた。
逆三角形の隣に“yuuki”と表示された。
「い、いや。俺もちょっとビックリしただけだから、大丈夫だ。あ、俺はリクだ。よろしく。それと、ラフな話し方でいいぞ?」
「わ、わかった。えっと、生産職?」
「ん?ああ、一応そうなるのかな?」
一瞬どうしてそう思ったのか気になったが、俺の裏に出してある合成布や調薬セットを思いだし、納得した。
「へぇ、珍しいね。合成と調薬って被らない?」
「ああ、そうなのか。一応生産系スキルは全部持ってるんだ」
「え?」
「ああ、聞こえなかったか?生産系スキルは全部持ってるって「い、いや、聞こえてはいたよ!」
「ただ、生産系スキルってことは錬金とかも持っているってこと?」
「もちろん」
「大丈夫なの?」
「何が?」
「その、色々と・・・」
ユウキは言葉を濁しながら言った。
「ああ、まだ使ってないものの方が多いからな。そこら辺はわからん」
「そうなんだ。あ、フレンド登録しない?私、βテストのほうで生産系スキルとっていたから、わからないこととかあったら多少はアドバイスできると思うよ?」
「そうだったのか。じゃあ、よろしく頼む」
俺はそう言って、ユウキをフレンドに登録した。
こんにちはyoshikeiです。
今回も最後まで読んでくださりありがとうございました。
おかげさまで20話目達成しました。
yuukiさん名前を使用させていただきました。ありがとうございました。まだ当分は使うと思いますが・・・
今後ともよろしくお願い致します。
次回の更新は5月7日午前9時です。