13
今回は1.5倍くらいあります。
「よし、行くぞ!」
「「「「「「おう(はい)!」」」」」」
俺たちは、こうしてボスのフィールドへ入っていった。
フィールドの中央へと進むと、突然からだが動かなくなり、声が聞こえてきた。
「ここを通ろうとするバカどもは誰だ」
そんな声とともに、奥から俺たちの3倍はあるかというほどの大きさをした人のような形をした化け物が出てきた。
「お前たちがここを通ろうとしているようだな。そんなバカどもは我の腹の足しにしてやろうではないか!」
その台詞が終わると、「ヴガァァァァァァ!」という声とともに視界の右上に《トロール Lv.13》と表示され、ボスの近くに3本のHPバーが表示された。
こいつトロールなのか・・・
それからすぐからだが動くようになり、戦闘が開始された。
「みんなはβのときと同じように!リク君は回復優先で基本自由に動いて!」
「「「「「「了解!」」」」」」
リン指令のもとみんなはトロールに向かって攻撃を加え始めた。
「[ファイヤーボール]」
「片手剣アーツ[スラッシュ]」
「体術アーツ[ハイパーナックル]」
「[アイスボール]」
「盾アーツ[ヘイトアップ]」
「[ウォーターアロー]」
他の人たちは武器アーツや魔法を駆使しながら次々とボスにダメージを与えようとしているが、かなり固いのかまだ1割も削れていない。
ただ、1つ気になったのがアーツや魔法には詠唱が必要だと思ったのだが、他の人の詠唱が全く聞こえない。どうしてそれで発動するのか後で聞いてみようと思った。
俺も、このままボーッとしているのはダメだと思い、弓と魔法を使い攻撃を始めた。
ヒュッ・・・ヒュッ・・・
「“我が敵に火の球を放て”[ファイヤーボール]」
ヒュッ・・・ヒュッ・・・ヒュッ・・・
「“我が敵に火の球を放て”[ファイヤーボール]」
・
・
・
・
ヒュッ・・・ヒュッ・・・ヒュッ・・・
「“我が敵に火の球を放て”[ファイヤーボール]」
80回ほどやっていただろうか。目の前に新しいウィンドウが現れた。
「うおっ!」
ポト
突然の事ということもあり、驚いてしまい矢を落としてしまった。
そのウィンドウには
《火魔法のスキルレベルが5、弓のスキルレベルが10を越え解放条件を満たしたため、コネクトアーツ“火属性魔法矢”が解放されました》
と書かれていた。
俺はクールタイムの終わっていたファイヤーボールを放つと、メニューからスキルのアーツ一覧を開こうとした。だが、アーツという欄の下にコネクトアーツという欄が増えていた。コネクトアーツの欄を開くと、
《火属性魔法矢
[火矢] 》
と書いてあった。
そのアーツは詠唱が長く使用するMPも多かったが、属性欄には火属性・魔法・物理(刺突)の3種類が書いてあった。
「おーい、新しいアーツを使うから一応警戒しておいてくれ!」
俺は新しいアーツを使うためPTメンバーに注意を促すと、弓に矢をつがえ、詠唱を開始した。
「“我が矢に火をまとわせよ。敵を突き刺し燃やし、炎をまとわせよ”[火矢]」
詠唱が終わり矢を射ると、その矢は火をまといながらトロールに突き刺さる。そして、火がトロールを包み状態異常である〈火傷Lv.3〉を負わせた。
このゲームではPTメンバー等の味方には攻撃が当たらないが、状態異常を付与するものに関しては敵味方関係なく攻撃が当たるようなので、PTメンバーが離れていてよかったと思った。
[火矢]のエフェクトが終わり、ボスのHPバーを見ると、3本あったバーの中の1本が射つ前と比べて1割近く削られていた。
「おいリク!後でこの技の事も説明してもらうからな!」
アクタからそう言われながらも、俺は矢とファイヤーボールの間に時々[火矢]を加え攻撃を続けた。
こんにちはyoshikeiです。
今回も最後まで読んでくださりありがとうございました。
今後ともよろしくお願い致します。
次回の投稿は5月3日です。