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「なあ、参考として聞いておきたいんだが、みんなのレベルっていくつなんだ?」
俺たちはまだセーフティーエリアにいた。
装備品の確認中らしい。
みんなにも余裕がありそうだったので、レベルを聞いてみると、あっさりと教えてくれた。
「俺はLv.9だな。他はレベルが8か7くらいだったはずだ。あってるか?」
「あ、私もLv.9になったよ~」
アクタが答えてくれた。その後、ロポカたちに確認をとると、リンが訂正した。リンのレベル以外は全員あっていたようだ。
あれ?俺ってLv.18だぞ?他の人が低いのか?
そんな事を考えていると、アクタが
「リクのレベルはいくつなんだ?」
と聞いてきた。
正直に答えるとアクタたちが落ち込みそうだが、嘘をつくとなにか悪いことが起きそうだな。仕方ない、正直に答えるか。
「あー、俺は一応Lv.18だ」
「「「「「「は(え)?」」」」」」
「聞こえなかったか?俺のレベルは18だ」
今度はそれなりに大きな声で言ったから、しっかりと聞こえたはずだ。
「いや、最初からしっかりと聞こえてはいたぞ」
「じゃあ、なんでそんな反応しかしなかったんだよ」
俺がアクタにそういうと、ベルが答えてくれた。
「リク君、このゲームってね、あまりレベルが上がらないように設定されているはずなんだよ?だから全力でレベリングしても普通はLv.18なんてまだまだ先の話だと思ってたんだ。だから、君のレベルを聞いたボクたちはかなり驚いているんだよ」
そういうことだったのか。
「だから、今回は君が一番の戦力ということになりそうだね!」
隠しておくことではないとはいえ、もう少し自重した方がよかったか?
ん?
「あの、なんかおかしなことが聞こえてきた気がするんですが?俺が一番の戦力だって」
「もちろんボクはそういったよ?」
「この中で一番初心者なんですが?」
「でも、一番レベルが高いでしょ?」
「弓使いであまり役に立たないかもしれませんよ?」
「回復魔法覚えてるでしょ?あと、なにか攻撃魔法とか覚えてない?または武器スキルでもいいけど、最初から弓を使ってたから覚えてないよね」
「攻撃魔法はないです。短剣スキルはありますけど、さっきとったばかりで短剣もないですよ?」
「じゃ、じゃあなにかできそうなことはある?」
「付加魔法をかけて、底上げくらいならできますけど?」
「スキルポイントは残ってないの?」
「一応10ポイントは残してありますが、ほしいものができたときにとれないと困りますからなるべく残しておきたいんですけど」
「矢の予備とかは?」
「全部練習用の矢しか使ってません」
ベルは肘に手を当てて、考え込んでしまった。
ちなみにベルは女だぞ?呼び捨てにしてるのは名前の後になにかをつけると、アバターネームはおかしな事になりやすいからだ。他意はないからな?
「じゃあ、なにか攻撃魔法取ってもらってもいい?」
「わかりました。なにかおすすめとかありますか?」
「あ、取ってくれるんだ」
「そりゃ、頼まれればやりますよ」
「そうなんだ。じゃあ、火魔法でもいい?ここのボスに一番有効なんだ」
「わかりました。じゃあそれ取りますね」
俺はベルにそう言われて、新しい魔法を取得した。Intが1上がって、細工をはずしたためDexが1下がった。
「取りましたよ」
「こっちも準備が終わったみたいだから、行こうかリク君」
「はい」
こうして俺たちは、ボスへと挑むのであった。
こんにちはyoshikeiです。
今回も最後まで読んでくださりありがとうございました。
今後ともよろしくお願い致します。
次回の投稿は5月2日です。