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思った以上に早く投稿できました。
「そういえば、今回のパラのスキル構成ってどうなってるんだ?」
移動中にアクタが聞いてきた。
「ああ、今回は片手剣と短剣、二刀流を中心とした近接型だな。テイムも入ってるから、フェルネを呼び出すこともできる」
「テンプレ通りってわけか」
「まあ、それが戦いやすいように作ったからな」
「ん? 作った?」
「ああ、種族とか初期パラメーターとかな」
俺がそういったとたん、アクタは驚いたような顔をした。
「もしかして、自分の好きなように種族を作れるのか!?」
アクタの驚きようは、思わずこっちまで驚いてしまうほどすごかった。
「あ、ああ、いろいろいじれたぞ?」
「それで? どんな種族だ? エルフとかは元からあったって聞いてるが、作ったって言うなら、それなりに新しい種族なんだろ?」
「か、顔が近いって」
俺はここからいろいろと聞かれるよりは今説明しておいたほうが良いと思い、おおざっぱにまとめて説明した。
「なんだと! 飛べるのか!?」
「さっきも言っただろ」
「さっそく飛んでくれよ!」
ここでも顔を近づけてくるアクタには、ゲームのこととなると見境がなくなり、こうなることを知っていたとはいえ、多少の恐怖を覚えてしまった。
仕方なく、羽根を使って飛び上がる。
「おぉ~」
アクタは 俺もやりたい という目で俺の方を見ていた。
カシャッ
カメラのシャッター音が聞こえてきた。
「あ、スクショ撮らせてもらったぞ。出来のいいやつはあとで送る」
どうやらアクタがスクショを撮る音だったらしい。
こういう細かな設定がいろいろな人に安心感を持たせ、やりたいという人が増える要因なのだろう。
俺はふと、そんなことを考えた。
―――――
アクタや長谷川さん改めハンナ、ノユキたちと話しながら、歩いていると、
「おい! 敵が見えてきたぞ!」
どこかのプレイヤーが大声でそう叫んだ。
ほかのパーティーも騒がしくなる。
「俺たちも準備するぞ!」
その掛け声とともに、俺たちのパーティーも臨戦態勢に入った。
俺は斥候として、前衛に配置された。
「壁は気にしなくていいから、全力で削るぞ」
隣にいるアクタが、そう声をかけてきた。
「分かってるよ。どれだけこのポジションをやってきたと思ってるんだ」
「お前、基本は支援職だろ?」
「……」
「わるい、余計なことを言ったな…」
「いや、いい。本当のことだしな」
俺はなにも言い返せなかった。
皆さんこんにちはyoshikeiです。
今回も最後まで読んでくださりありがとうございました。
今後ともよろしくお願いします。
次回はいつか分かりません…