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あけましておめでとうございます。
数分後、店主が店の奥から戻ってくる。
店主の手には腰につける鞄が2つあった。
「これが完成品と余った素材だ」
手に持っていたバッグと少量のアイテムを渡された。
「いつ潰れるかわからんが、鞄の製作ならうちに来い。他の店よりかは良いものを出してやれるはずだ」
店主はそう言うと、店の奥へと戻っていった。
ポーン
《ASクエスト:マジックバックを作りに を達成しました》
《報酬: 連携の指輪
不思議な皮(空)
3000r》
クエストクリアのウィンドウの後、報酬が標示された。
「報酬が良いものばかりだな」
「クエストの?」
「きゅい?」
「ああ、指輪と素材、3000rも手に入った。連携の指輪と素材の値段がわからないから詳しいことはわからないが、報酬を貰いすぎな気がするくらいだ」
フェルネと話をしていると、別のウィンドウが表示された。
《ASクエスト:クアドルの街の歴史》
「あ、次のASクエストが出た」
「なんて名前?」
「クアドルの街の歴史だってよ」
「へぇ」
「歴史館みたいなのがあるのか?」
「どうなんだろう。ギルドで聞いてみる?」
「そうだな」
俺たちはギルドに向かうことにした。
◇◆◇◆◇◆◇
ギルドにつくと、なにやら騒いでいるようだった。
なにかあったのかと思い、近くを通りかかったギルド職員らしき人に尋ねてみる。
「何かあったんですか?」
「え、ええ、街の近くに大きなモンスターが現れたのよ。どうやらそのモンスターは20年前と同じモンスターみたいなの。あなたも急いで逃げなさい。この街が襲われる前に逃げないと、どうなっても知らないわよ?」
彼女は言い終えると、別の場所へと移動した。
ギルドの中を歩いていると、
「討伐隊募集! 共闘ペナルティーがないことは確認した!」
「一緒に討伐に行こう!」
「レベル、スキル構成不問! 討伐隊募集!」
という声があちらこちらから、聞こえてくる。
どうやら、討伐することを目標にしているようだった。
ギルドクエストの一覧をみてみると、一番上に「カリエルストロの討伐」と書いてあった。
カリエルストロは今攻めてきている大型のモンスターのことだろう。
「討伐隊募集! 参加者は東門に集合!」
周りをみると、多くのプレイヤーが移動を始めていた。
「フェルネはどうしたい?」
「この状態で戦うのは無理があると思うけど、狐の状態なら行けるよ? どちらにしても、りくについていくよ。でも、ティアリーは無理かな?」
「そうだな。じゃあ、俺とフェルネは参加しよう。この街が壊されるのは困る」
「うん」
フェルネはティアリーを送還した。
そして、俺たちは路地裏に入ると、フェルネを九尾の狐の状態へと変化させ、東門へと向かった。
こんにちはyoshikeiです。
今回も最後まで読んでくださりありがとうございました。
Twitterに告知した通り、3が日の間に投稿できて良かったです。
とりあえず、方向性が決まったので、次回は早くに投稿できると思います。
今後ともよろしくお願いします。