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「よっしゃー‼」
「「やったー!」」
俺たちはボスが消えたところで盛大に叫んだ。
そして、全員が真ん中に集まると、3人でハイタッチをした。ボス部屋の広い空間にパーンと鳴り響いた。
そのとき、俺たちの足元に魔法陣のようなものが現れ強く光った。思わず目を閉じる。
光が収まり、目を開けるとボス部屋の扉近くのセーフティーエリアのような場所に飛ばされていた。
「これで終わったか」
俺はそう小声で呟いた。だが、ノユキには聞こえていたらしく
「なに? 魔石が落ちたの?」
そう聞かれた。
「いや、まだ確認してない」
「じゃあ、せーので見るわよ?」
「ああ」
「「せーの!」」
俺とノユキは同時にアイテムボックスを開く。
「私は蛙の後ろ足、毒袋、パラスペショートソード、空間の魔石ね」
「俺は空間の魔石2個と毒鋼のインゴット3個、毒袋、鉄のインゴットだな」
ゲットしたアイテムを確認すると、ノユキは不機嫌な顔になった。
「なんか、リクちゃんだけ多くない?」
どうやらアイテムの個数の話のようだ。確かに俺の方が多い。
「フェルネ、俺の入手アイテムの数が多い理由ってなにかわかるか? それと、俺は男だ。ちゃん付けで呼ぶな」
なにか情報がわかるかもしれないと思い、フェルネに聞いてみると、
「私の分でしょ?」
と答えが返ってきた。
「だってよ、ノユキ」
「フェルネちゃんの分なら納得ね」
「他のゲームだと、プレイヤー単位で配布なのにな」
「そうね。まあ、そこら辺は運営じゃないと詳しいことはわからないから、仕方ないわね。それにしても、魔石ってこんなに簡単に落ちるのね」
そう言えば、レアドロップだとノユキは言っていたな。
そんなことを考えていると、
「初回討伐のボーナスとか?」
「そうかも」
そんなことを30分ほど話していた。
その後セーフティーエリアを出ると、すぐにノユキが敵に追われ出口まで全力で走っていったため、俺たちもすぐに迷宮を出ることになった。
必要だったアイテムはすべてとったが、まだ行ってない場所があったので、また来ようかなと考えながらノユキを追いかけ街へと戻った。
余談だが、ノユキを追いかけていた敵はあの迷宮からは出られないようで、迷宮の外まで追いかけてくることはなかった。だが、ノユキは後ろも振り向かず街まで走っていたので、街の中で俺にその事を伝えられたときもっと早く、追いかけていた敵がいないくなったことを教えてくれと怒られた。
こんにちはyoshikeiです。
今回も最後まで読んでくださりありがとうございました。
今後ともよろしくお願いいたします。