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かなり奥まで進んでいくと、大きな扉を見つけた。
「ボス部屋みたいね」
ノユキがポツリと呟いた。
「そうだな」
俺はそうを返事すると、全員に限界までバフをかけていく。
「よし、バフはしっかりとかかってるよな?」
「ええ、ビックリするほど沢山かかってるわ」
「わたしもかかってるよ」
ノユキとフェルネから返事が得られたので、早速ボス部屋に入った。
――――――――――
バタンッ
部屋に入るとすぐに、入り口の扉が閉まり
『ゲコォォォオオ‼』
カエルの鳴き声を大きくしたような音が部屋に響いた。
「ここでもカエルかよ・・・」
そんなことを呟いていると、上から紫色の巨大なカエルが落ちてきた。
視界の右上に《ポンペースフロッグ Lv.55》と表示される。
「全員散開! タゲは持ち回りでスキルの予兆が出たらフェルネか俺が怯ませる!」
「わかった」
「了解‼」
フェルネとノユキは返事をするとすぐに俺から離れた。
「初撃で一気に削る! 新技使うぞ‼」
「わかった!“狐拳火炎二ノ陣”[大火連挙]‼」
「よくわかんないけど、了解!“我が手にあるのは疾風の剣”行け![疾風一閃]‼」
「“炎よ我が矢に宿り螺旋を描け。敵を貫き燃やし尽くせ、放つ矢は炎の矢”詠唱完了! 引け! [二ノ陣焔矢]‼」
『グゲエェェェェ‼』
初撃でボスの3本あるHPバーの1本を7割ほど削ることができ、さらに状態異常も付けることができたようだ。
「タイミングを見て通常攻撃とスキル攻撃でHPを削れ!」
「わかった!」
「了解!」
フェルネとノユキから頼もしい言葉が返ってくる。
俺も他の二人に置いていかれないよう矢を放っていく。スキルを使用しないのはMPが初撃でかなり消費してしまい、ヒールを使うために50は残しておかなければならないため、使う余裕がなかったのだ。
MPの量を見ながら、矢を放っていく。
『ゲェコォォォォ‼』
突然敵が叫んだ。
「「キャァァァァ‼」」
「フェルネ! ノユキ!」
どうやらさっきの叫び声は範囲スキルの前兆だったようで、二人は離れたところまで飛ばされてしまった。
HPの残りを確認すると、フェルネは5割、ノユキは4割ほどとなっていた。
「“ノユキの体力を回復せよ”[ハイヒール] “フェルネを回復せよ”[ハイヒール]!」
二人のHPを回復させると、すぐにボスへと向き直り無詠唱でファイヤーランスを放つ。
「お前の敵はこっちだ!」
Vitにほとんど振っていない俺がボスの攻撃を受けたら、すぐにHPもろとも吹っ飛ぶだろうが、そんなことはお構いなしにタゲを自分へと向けさせた。
こんにちはyoshikeiです。
今回も最後まで読んでくださりありがとうございました。
さて、今回リク君が使用した[ハイヒール]の詠唱についてですが、詠唱のある威力の調節は、詠唱を削ると威力が低下する。という設定からのものです。この説明が小説内で出来るようになりたい・・・。
次回はいつ更新になるかはわかりませんが、ストーリーは思い付いているので、執筆が終わり次第投稿したいとおもいます。
今後ともよろしくお願いいたします。