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更新まで日が空いてしまいすみません。
「り、りく、なんかあの人怖い」
フェルネは怯えながら、さらに俺にしがみついてきた。
「ちょ、ちょっとフェルネは離れて。それと、ノユキ、俺の大切なパートナーを怖がらせるなよ」
ノユキは俺に声をかけられて、正気に戻ったのか、
「あ、ご、ごめんなさい。怖がらせるつもりはなかったの」
必死に弁解をはじめた。
「だって、ここまでの街に人型のモンスターはいなかったから、珍しくて」
「え、まだ出て来てないのか?」
「もちろん。ベータテストでも出て来たのはもっと先だったっていってたわよ? それも出て来るのはNPCばかりってね」
これは、もと注意しないといけないってことか?
そんなことを考え、ふとフェルネを見ると、
「ひゃっ!」
ノユキの背中を指でつついていた。
・・・ツン・・・
「ひゃっ!」
ツンツン・・・
「な、なに!?」
・・・ツー
「ちょっと!や、やめて!」
「りく、この人大丈夫?」
フェルネはノユキの背中をつつく手を止めると、俺に向かってそんなことを聞いてきた。
「安心しろ、悪い人じゃない。それと、つつくはやめろ」
「あ、ごめんなさい」
フェルネはそういうと。ノユキから離れた。
「ちょっと、リク君、その子にどんなことを教えたの?」
「いやちょっと待てノユキ、俺はなにも言ってないぞ?」
「ノユキ?」
俺たちが話していると、フェルネは首をかしげそう聞いてきた。
「ああ、この人の名前だよ。ノユキさん。たぶん同じギルドに入ることになるから、よく会うようになると思う」
「へぇ。よろしく、ね?」
「ええ、よろしく」
二人は握手をすると、早速ガールズトークを始めた。
俺はすでに蚊帳の外だった。しかたなく、目的の迷宮を目指し歩いた。
しばらくすると、森を抜け目的の迷宮についた。森の中ではほとんど敵と遭遇するとこはなく、あったとしてもすぐに倒すことが出来た。
後ろを向くと、フェルネたちがゆっくりとではあるがこちらへと向かってくるのが見えた。
「そろそろ迷宮に入るけど大丈夫か?」
フェルネたちにそう聞くと、
「え、まさかこの中に入るの?」
ノユキにそう言われた。
「もちろん。マジックバッグを作るためにな」
「もしかして、魔石狙い?」
「ああ、よくわかったな」
「それならやめた方がいいと思うよ? 魔石は全然落ちないって言うし」
「それでも、倒し続ければ落ちるんだろ?」
「そりゃそうだけど、今のレベルだと一体倒すのにも時間がかかると思うよ?」
「その点については安心してくれ。策はある」
「はぁ、わかった」
「というか、ノユキが無理してついてくる必要はないんだぞ?」
「どうせなら、ボス初回討伐のメンバーに加わりたいじゃない。それが出来ないと困るから、着いていく」
「わかった。ただし、守らないぞ?」
「え、守ってくれないの?」
「なんで、守らないといけないのかこっちが聞きたいんだが?」
「男の子でしょ? それくらいはしてよ」
なるほど、そう来たか。
「残念ながら俺は遠距離型だ。壁は出来ないし、守れるだけの力があるかどうかはわからん。入ったこともないからな」
「え、もしかして弓とかじゃないよね?」
ノユキはかなり嫌そうな顔をしながらそういった。
「嫌そうにしてるところ悪いが、大当たりだ。それも、初期装備以上のものは持ってない」
「どうやってここまで来たのよ・・・」
「どうやってと聞かれても困るが、まあ、戦えるから安心しろ」
「わかった。あんたには期待しない」
「そうしてくれ。まあ、余裕があったら助けるさ。じゃあ、行くぞ~」
俺はそういうと、迷宮へと足を踏み入れた。
フェルネとノユキがなにか話していたが、小声だったためほとんど聞こえなかった。
こんにちはyoshikeiです。
今回も最後まで読んでくださりありがとうございました。
なかなかネタが浮かんでこなくて、更新が止まってしまいました。すみません。
代わりといってはなんですが、新作を投稿しました。よかったら読んでみてください。
今後ともよろしくお願いいたします。