10
やっと10話目になりました。
これからもよろしくお願いします。
「まあ、言っちゃったものは仕方ない。本当は、どこか周りに聞かれないような場所に移動してから話す予定だったんだが、概要だけ説明しておくか」
アクタはロポカたちに概要を説明し始めた。
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「じゃっ、じゃあ、この子はこんなに早く称号を獲得したってことなの!?」
「ああ、俺もどの称号なのかは聞いてないし、本人も見ていないようだけどな」
「なあ、称号ってそんなにすごいものなのか?」
アクタの説明も終わったようだったので、足をグリグリと踏みつけるのと回復魔法の使用を止め、俺はさっきから気になっていた称号についての説明を求めることにした・・・のだが、
「ああ、そういえばリクって称号自体を知らなくてチャットを寄越したんだったな・・・」
「そういえばこの子、βテスターじゃなかったのよね」
「普通にここにいたから忘れてたよ」
アクタやリン、ベルが、あきれたように言った。心外だ。そんなに変なことをした覚えはないのに・・・
「よくわかってない、って顔だな。だが、最初に言ったようにここで称号の話をするのは不味い。俺はこの事を、他の人に聞かれるのは避けておいた方がいい気がするんだ。だから、どこか別の場所に移動したいんだが、どこかいい場所を知らないか?」
「うーん。そういえば、PTって最大人数7人よね。だったらもう、次の街に行った方がいいんじゃないかしら?今なら初回ボーナスがもらえるかもしれないし」
「だが、リクはまだレベルがそんなに上がってないんじゃないか?」
「大丈夫よ。ここにいるのはβテストでもトップクラスのPTよ?一人くらい増えたって問題ないわ」
「まあ、大丈夫かもしれんが、デスペナはきついからもう少しレベルを上げようって話じゃなかったか?」
「それは安全マージンを完全にとった場合でしょ?最初のボスくらいなら行けるわよ。それに、次の街ならホームも買えるしね」
「まあ、それもそうか。みんなも異論はないか?」
アクタとリンが相談を終え、他の人に意見を聞くと、
「もちろん」
「ああ、うちの参謀がそう言うなら間違いはなんだろう」
「うちの参謀は優秀だもの。きっと大丈夫よ」
「私も大丈夫だよ」
ロポカ、ユウ、ベル、アイは口々にそういった。
「よし!じゃあ、今からでも行くか!」
「「「「「おう(ええ)!」」」」」
「なあ、俺の意見は?」
俺の声は、他の人達の返事に書き消されたのであった。
まあ、アクタのPTに連れていって貰うようなものだから、文句はないけどさ。
「あ、リク、PT申請送っておくな」
そう言われた直後、俺の目の前に《Akutaからパーティー申請が来ました。》と表示された。
俺はそのまま《受理》を選択した。
ああ、俺の声は誰にも届いてなかったんだな・・・
こんにちはyoshikeiです。
今回も最後まで読んでくださりありがとうございました。
10話まで順調に投稿することができました。これも皆さまのお陰です。
あらすじのアドバイスを書いてくださった鋼矢さん、誤字報告や面白い感想を書いてくださったyuukiさん、ありがとうございました。
まだまだ未熟者ですが、今後ともよろしくお願いします。