STORY3
「で、お前はその力を使った、そして契約である以上お前も代価を払わなければいけない」
「な、何? まさか……命?」
「似た様なものかな。簡単に言えば使った箒星の力の分だけお前の体力を持って行く」
「は?」
「つまり、箒星のエネルギーはお前の体力次第、と言う事だ」
「それで、その……死ぬ様な事は?」
「箒星の使いすぎで死ぬ事は無い。その点は安心しろ。体力をエネルギーにしていると言ってもさっき使った程度なら大した事は無いだろう」
「まぁ、ちょっと走った位、かな」
「その程度だ。頭を使って闘えばそれ程有効な武器は無いだろう」
「それはそうかも」
「分かったか?」
「コレについては。で、アイツ」
「それは俺も知らない。突然襲ってきたんだ」
「目的はコレ?」
左手をかざす。
「ああ。これを解析すれば相当の財産が築けるからな」
「ソレ目当て?」
「それは知らん。間違いないのはソレを狙っていると言う事だ」
「で、私はこれからどうしたら良いのかな?」
「不本意だが俺と来てもらおう」
「え? 私の都合は?」
「どこか行くのか? じゃ、それに付き合おう」
「え? アンタはどっか行くんじゃないの」
「急ぎでは無いから構わん」
「なんで?」
「俺はソレの守護者だからな。所有者であるお前に従う」
「あ、そ」
「話はここまでだ。あの男が来た」
「なんだ。気づいてたのか」
窓の外にはあの男の顔。
ガシャァァァン。
ガラスが割れ、飛び散る破片と共に男が入ってくる。
「うわっ」
破片に気を取られ対応が遅れた。
「それを渡せっ!」
斧を振りかぶり迫ってくる。
「させるかっ!」
守護者が突き出す槍と同時に私も箒星を発射する。
槍は斧に弾かれ、箒星は避けられた。
「これで、力の差が分かっ……」
斧が私の頭上に振りかざされる。
あぁ……私の人生はここで……。
終わる訳にはいかない!!
頭に何か閃いた!
「「何!?」」
ガキィン。
左手で斧を受け止め箒星の軌道が急転換され男の背後から襲いかかる。
殺気かそれとも経験なのかは分からないが男は箒星に気づいた。
「チッ!」
振り下ろされた斧は私の真横に着地した。
その感じたくない風を感じ、どこも怪我をしてない事に安心する。
「ハハ」
冷や汗が背中を駆け落ちる。
痺れる左手に箒星が装着される。
「何をぼんやりしている! 早く立て!」
ゴメン。ちょっと……無理そう。