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箒星  作者: 奇文屋
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STORY1

「こんばんわ〜」

 夜の山中の中に見つけたお屋敷。

長い間なんの手入れもされて居ない庭を抜け、立派なドアを開ける。

「誰か居ませんか〜」

 居ないと分かっているのに声を掛ける。

「とりあえず……お邪魔しまーす」

 真っ暗なロビーに入る。

ドアがギシギシ、と軋みながら閉まる。

その音にドキッとして振り返る。

「……暗いなぁ」

 窓から入る月明かりが頼りの室内。

月明かりがあたる壁に持たれかかり座りこむ。

とりあえず一晩過ごせたらいいか。

奥に行けばベッド位はあるかもしれないが、行きたく無い。

 それからしばらくして、バッグを枕にうとうとしていたら、

破壊音と共に男が二人入って来た。

「な、何?」

 一人は槍を手に壁に打ちつけられているし、一人は斧を手に構えている。

「く……」

「素直に渡せばいいのに」

「出来る訳無いだろう」

「そりゃそうだ」

 槍を持った男が攻める。

斧を持った男が迎え撃つ。

乱れ飛ぶ突き。

振り下ろされ薙ぎ払われる斧。

空を切る音と男達の息遣いだけが聞こえる。

正直、目の前の事は現実とは思えない現実。

それでもこれは現実なんだ。

ヤバい、と思うが体が動かない。

「はぁ!」

 一際大きな声と共に槍を持った男が私の横に叩きつけられる。

男が持っていたバッグが私の足に当たる。

ぼんやり光るそのバッグに手を伸ばそうとする。

 槍の男が飛び起きて、斧の男に立ち向かう。

「きゃ」

「こ……の」

「随分打たれ強いな」

 自分の身長ほどの柄があるのに軽々振り回しているのに男は余裕だ。

この二人の視界に私は入っていない様だ。

「大人しく渡していれば良かったのにな」

 振りかぶる斧。

何かしなきゃヤバい事になる。

 立ち上がり足元のバッグを手に取り、そろそろと立ち上がる。

そのままゆっくりと出て行こうとするが、

ゴン!

 ずっこけた。それも大きな音を立てて。

「なんだ」

 男達が私を見る。

妙に恥ずかしい。

「え、へへへ」

 私は恥ずかしさを誤魔化す為に愛想笑い。

通用する事を祈る。

「大人しくしてたら何もしない」

 どうやら通用したようだ。

「とりあえずそれは渡して貰おう」

 それとは槍の男が持っているバッグの事だろう。

私はこんな危ないヒトに狙われる様な物は持っていない。はず。

「渡すものかっ!!」

 槍の男が攻撃に出る。

「まだ闘るのか?」

 突き出した槍、振り下ろされる斧。

互いの攻撃はバッグを切り裂いた。

 バッグは切り裂かれ中の物が出てくる。

出てきたのは見た事の無い形の輝く十字型の小手。

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