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俺、(召喚する死霊が)最強の死霊術師です!  作者: ニャンコ太郎
~序章~ 俺、死霊術師になりました
1/8

プロローグ

この小説を見ていただきありがとうございます。

これを見て下さっている皆様の暇つぶしとなってくれれば幸いです。

俺の日常の終わりは、前触れも何もなく……突然訪れた。


「うおっ……」


俺は思わずそう声を漏らし、足を止めて俺の対面から歩いて来る少女の姿を見る。


若干幼さの残る顔は色白で目鼻は整っており、髪は灰……いや、光を反射し美しい光沢を放つそれは銀色と言った方が正しいだろう、そしてその冷たいイメージを感じさせる中で相対的な色の金色をした目が栄えて見える。


頭に非常に煌びやかな装飾品がこれでもかと着いたシルクハットに金の刺繍で幾何学模様が書かれている黒を基調としたゴシックドレス、それと手には先端に拳骨大の真っ赤な宝石のような物が付いた小ぶりのステッキを持っている。


そんなコスプレ少女が車道のど真ん中を周囲の景色をもの珍しそうな顔をしながら歩いていたのである。

日本の閑静な住宅街をこんなぶっ飛んだ服装を着て歩いているのだ、誰だってそんな光景を見れば一瞬足を止めてしまうのではないだろうか?


少女は足を止めて見ている俺をちらりと見てにこり、と姿に合わず大人びた笑みを浮かべて会釈をすると俺の横を通り過ぎていった。

その姿にどきりとしてしまい思わずその背中を目で追ってしまう。


一瞬だがあの笑みを浮かべた時、彼女が酷く……見た目の年齢に見合わない程妖艶な雰囲気を醸し出していたような気がする。

あれが魔性の笑み、とか言う奴なのだろうか?……いやはや将来が恐ろしい子だ。


[ブ、ブーッ!]


「!?」


先程彼女が浮かべていた笑みの事を考えてボーっとしていた俺を我に返らせたのがその子が道路の先のT字路に差し掛かった時だった。

どうやら少女は道路の左右確認をしないでふらふらと道路に出て行ってしまったらしい。

道路を走っていた自動車がけたたましいクラクションを鳴らす、その音にビクッとしてすくむ少女。


このままではあの子が撥ねられる!


そう思った時には俺の体が勝手に動いていた。


[バァン!]


俺はすくみ上っていた少女を突き飛ばす、道路端へと転がっていった彼女と共にあわよくば助かろうと思ったがそう都合よく行く筈はない。

直後俺の体に走る強い衝撃、視界が歪み浮遊感の再び叩きつけられるような衝撃、そのままゴロゴロと何回か体が転がり最終的に仰向けの体勢で止まった。


以外と痛みは感じなかったが体はピクリとも動かない、体に何かぬめっとした生暖かい物が触れている。

なんとか首だけ動かして地面を見ると真っ赤な血だまりが見えた、恐らく俺は血まみれになっていんだろう。


そんな事を考えている内に視界が少しずつぼやけてくる。

ああ、これは助からないかもな……と妙に冷静に自分の状況判断をする俺、慌てる程頭に血が回らないからかな?

ふと視界が暗くなり何事かと視線を上に向けると先程の少女が俺の顔を覗き込んでいた。


「……[にこり]」


そして彼女は俺の顔を見て先程俺とは違う慈しむかのような笑みを浮かべて俺の額に手を置くとゆっくりと下にスライドさせ目を閉じさせる。

まるで死んだ人みたいな扱いじゃないか。

そう思いながらも目を開ける気力も無くなった俺の意識は急速に薄れていく……


「……、………、……………」


そして俺が最後に聞いたのは、その少女の声と思われるとても冷たく……しかし何処か安心できるような聞いた事の無い、子守唄のような不思議な言葉だった。


※※※


さて、このような不幸な目にあってしまった不幸な少年……彼の名前は狗皎くしろ ことぶき

高校三年生の18歳、趣味はマンガ、ゲーム、パソコン……まあ探せば見つかるレベルのそこらに居るインドア派、草食系な男子学生である。


学校の成績、家庭的な問題も特に無く毎日を平和に、特にドラマチックな事も無くのんびりと過ごしていた……そう、今までは。


あの奇妙な格好をした不思議な少女に魅入られてしまった彼に一体どのような未来が待っているのか……それはまだ、誰にも分からない……

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