(5)いじめ
れおんが教室をでると、萌が隣のクラスのドアに寄りかかっていた。「一緒に帰ろう?//」と顔を真っ赤にしながら言うとれおんは「勝手にしろ...」と適当な答えを言った。
突然だが、貴方は「いじめ」を知っているだろうか?そう、よくドラマやアニメなどである上履きをトイレの中にいれたり体操着をベランダから落としたり...というものである。もっと酷いものは顔面に雑巾をおとす...などと言ったものだろうか。今の時代にも「いじめ」は存在する。
そう、ここ、諸星学園高等部にも。
れおん、悠李、萌は靴箱へ来た。そこで目撃したのは
「・・・・ッ・・・」
「「ぶははははははは‼」」
「いじめ」であった。数人の生徒が少女にバケツに入っていた水をかけたのだ。周りにはその生徒、少女とれおん、悠李、萌の数人しかいなかった。それを見た萌は「・・・・自業自得よ・・・」と誰にも聞こえない程の声で呟いた。
さて、れおんはどうしたか。・・・性格がアレ・・・の為、見ている事は出来なかった。そう、助けに行ったのだ。
「おい、何やってんだ。」
「!あ、えっとぉ、間違って水をこぼしちゃってぇ・・・///」(うわッ、めっちゃカッコイイ...)
「そ、それで今、タオルを貸してあげようと思ってたんです・・・////」(/////ど、どうしよう...)
「////ご、ごめんねぇ・・・」(あ、謝った方が良いのかな?//)
「嘘つきめ。馬鹿、アホ。俺は嫌いだ、嘘つく奴。もちろん、お前達も。」
すると数人の女子生徒は「「さ、最悪ううううううううううう‼」」と叫びながら外へ出て行った。するといじめられていた少女はれおんに「ありがとうございます・・・」とお礼を言い、靴箱を後にしようとした。
が。
少女はつまずいた。
「危ねっ‼」
「え?」
「.........っと。」
現在、抱き合ってる状態。もちろん、顔と顔の間は2㎝弱、目と目は合っている。こらが抱き合う時の正しい姿勢だ。少女の腕はれおんが強く掴んだままだった。
この状態に周りの数人の生徒は見て見ぬふり。悠李は「あらら・・・」と呆れたように。萌は「!」と驚いた顔をした。
「お前、危なっかしい。つか、何もねェじゃん...下。」
「よくある事です....スミマセン、ドジなんです、私。」
「俺は好きだけど、ドジ娘。あ、俺は倉崎れおん。1-1。お前は?」
「竹内純です。1-2。それ、告白ですか?」
「俺のタイプ。あ、クラス隣だな・・・何かあったら来い、絶対。」
「はい。それ―――――「れ、れおん‼か、帰ろう‼」
いいムードだったところに萌がれおんの腕を強く引っ張った。その為、抱き合う姿勢は壊れてしまった。自分的にはそのままあれしてあれしてーって感じが良かったのだが。まあいい。
萌はれおんの腕を引っ張り「木崎君!」と呼び靴箱を後にした。
「―――――まさか君がドジ娘ちゃんが好きなんて思ってなかったなあ✿」
「え‼あれ、本気の告白だったの?」
「・・・・・・・・・タイプはドジ娘。」
「本気の告白だったら面白くなりそうだったのに。それでー、見事両思いになりましたーってなったら僕も応援してあげてたのになあ・・・。あ、もしかして本気であの子の事好きだったりするのー?」
「あははは。そ、それはないよ木崎君...」
恋愛話、(恋話)をしている内に篠塚萌が「駅、ここだから」と言って篠塚萌とは別れた。........何秒間か沈黙が流れた。
「「あの」」
同時。
「君からで良いよ。」
「・・・・お前、何者だ?」
「僕は弟キャラという可愛い系キャラだよ?」
「・・・・・・・・・・・・まあいい。んでお前は。」
「ねえねえ、あの萌ちゃんって子のアルバイトしてる場所に行きたくない?」
「は?」
すると悠李はれおんの許可もとらず、先程萌と別れた駅へと向かった。れおんの腕を強く握っている悠李の顔は、どこかニヤニヤしている様だった。