(3)入学式と出会い.
あれから制服を身につけ、車に乗った四人は入学する事になった諸星学園へと向かった。ねおんはルンルンと鼻歌を刻み、れおんはメンズ雑誌をパラパラと読み、れおんは携帯をいじっていた。
「着いたわよ。」
そこはどこかの国の城かと思う程に高い校舎、そして綺麗な校庭に門。これはどこから見てもどう見ても学校ではないだろう。そんな学校にれおん・りおんは入学するのだから凄い。
最初に説明したとおり、諸星学園の試験は超難関で合格した者は天才と言うしかないだろう。そんな者達が来る高等学校、諸星学園である。
ねおんは「♪~」と鼻歌を刻んだまま、熊の人形を抱いて車のドアを開け、りおんは「着いたんやな
」と呟きドアを開け、れおんは母、由美にドアを開けられて車を出た。
すると、ねおんがある事に気付いた。
「お母さん、なんか視線が凄くない?」
「そうかしら?」
それもそうだ。
美少年とされているれおんに外見はチャらいが顔はまあまあイケてると言うりおん、そしてロリ系小学生ねおん、スカウトは当たり前の母、由美....この四人が歩いているのだから。
そんな事なんざ、れおんは無視。真っ直ぐ、体育館に向かって歩き出した。
――――――――そして受付をし、れおん・りおん・ねおん・由美はそれぞれの席についた。どうやら席はクラス順で出席番号順になっているらしい。れおんがぱっと見たところ、席の数で判断すると今年の新入生は30~40人と平均。三クラスあり、一クラス20人程度だろうか。
開始30分前とだけあって、来ていない者も沢山いる様だ。
「ヤベ。携帯忘れた・・・」
と、思いだした様に言ったれおんは由美に車の鍵を借りて体育館を出た。
――――――駐車場に着いたれおんはさっさと携帯を取り、車の鍵を閉めた。.........と、
「何震えてんだよ、姉ちゃん。」
「なあ良いだろ?遊ぶ位よお・・・」
「や、やめて!」
ナンパだ。
「こんな時代にナンパする馬鹿なんて居るのか」、そう思ったれおんだったが性格が性格の為に見ぬ振りは出来なかった。そしてれおんは
「何やってんだ。」
「あ゛?うるせーよ。」
ドフッ
一瞬の出来事であった。れおんは得意な合気道を使って相手を四方投げ。れおんは「ふう・・・・弱い。ナンパするならもっと強くなってからにしろ。」と言い捨てて去ろうとしていた。
すると、ナンパされていた女子生徒が「良ければ一緒に行きませんか?」と言って来た。もろん、れおんが断れる訳がないだろう。頼まれたら断れないタイプだからだ。その女子生徒はトップで入学してきたらしく、新入生代表らしく凄い頭の持ち主であった。
「あ、私は篠塚萌です。貴方は?」
「倉崎れおん。あー、敬語とかめんどいからタメで良いよ。」
「ありがとう。」
そうニコニコっと笑った萌は「さ、行こう!」と言い走って体育館へと向かった。