表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
2/5

うまくいっているはずなのに

※第2話です。


少しずつ、物事がうまくいき始めます。


――でも、ほんの少しだけ。

何かが噛み合っていない気がします。

「それで、その時どうしたんですか?」


カフェのテーブル越しに、美咲が興味深そうに身を乗り出す。


「いや、普通にテンパりましたよ。ああいうの慣れてなくて」


「ふふ、意外ですね」


くすっと笑う。


その笑顔に、思わず見惚れる。


(やば……めっちゃ可愛いな)


周りの視線が集まっているのが分かる。


あの美咲と、楽しそうに話している。


それだけで、優越感が胸に広がる。


「トモヤって、明るいですよね」


「え、そうですか?」


「はい。一緒にいて楽しいです」


その一言で、心臓が跳ねた。


(きた……!)


「そ、それはよかったです!」


少し声が裏返る。


美咲はまた小さく笑った。


「今度は、どこに行きます?」


「え、いいんですか? また誘っても」


「ええ、時間が合えば」


(マジかよ……)


夢みたいな展開だ。


(全部うまくいってる……)


そう思った。


本当に、そう思ったのに。


カフェを出た帰り道。


ふと、視線の先に――


ユウナと、ソラがいた。


並んで歩いている。


自然な距離で。


何かを話して、笑っている。


(……ああ)


一瞬だけ、足が止まる。


「見て見て、あの二人」


「美男美女じゃね?」


「めっちゃお似合いじゃん」


周りの声が、やけに耳に残る。


(……別に)


そう思って、視線を逸らす。


関係ない。


もう、俺には関係ない。


そうだろ?


(……なのに)


胸の奥が、少しだけ引っかかる。


何かが、噛み合っていないような感覚。


ほんの一瞬だけ。


それだけなのに。


妙に、残る。


(……気のせいだろ)


そう言い聞かせて、歩き出す。


隣には、美咲がいる。


これでいい。


これが、望んでいた形だ。


(……そうだよな)


自分に言い聞かせるように、心の中で呟いた。


それでも――


なぜか、さっきの光景が頭から離れなかった。


ここまでお読みいただき、ありがとうございます。


順調なはずなのに、どこか引っかかる。


そんな違和感を感じてもらえたら嬉しいです。


次話から、少しずつその正体が見えてきます

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ