6.提案(アイデア)
Clイオンに対するもっとも有効なイオノフォアは、やはり、Kイオンに対するバリノマイシンやクラウンエーテル(18-srown-6)類似の化学物質であろう。
その候補として、筆者が三年くらい前から考えているのが、大環状ニトロンである。
ClイオンとKイオンは、ほぼ同じイオン半径を持つため、バリノマイシンや18-crown-6 と似た大きさを持つ環状ニトロンが合成できれば、Cl イオンに対するニュートラルキャリアとして利用できる可能性がある。
正のKイオンを捕まえるのは酸素(О)上のδ-だが、環状ニトロンの場合は、N上のδ+である。
完全な+を持つ4級アンモニウム塩では他の負イオンも引き付けるが、環状に分散されたδ+は環の大きさに釣り
合う負イオンのみを引き付ける。ただし、クラウンエーテルが相対的に有する酸素数より、環状ニトロンが相対的に有するN数が少ないこと(すなわち、引き付ける力が弱いこと)が難点である。
また、Clイオンに見合った環状ニトロンが合成できるかどうか、筆者には分らない。実際には異物な形の(バロック)構造になると考えられるが、Clの官能物質して、それで困ることはない。
ポーリングによるイオン半径(pm)
Li+ 60
Na+ 95
K+ 133
Ca2+ 99
Mg2+ 65
I− 216
F− 136
Cl− 181
Br− 195
疎水性基を修飾していないクラウンエーテルは水溶性なので、感応物質として利用するには、疎水性の枝を生やさなければならない(図2参照)。
これは、環状ニトロンでも同じである。
イオノフォア + 塩化ビニル + 可塑剤 (+ 添加物) → イオン選択性電極(ISE)




