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15-ご馳走のお礼

 食事を終えた後、教室へ戻りながら歩いていると、冬花とうかが俺の予定を尋ね始めた。


「え? 今週の日曜日? うーん……特に予定はないけど」

「じゃあ、空けておいて。この前の礼として、知ってる美味しいお店でご馳走するから」

「別にいいって言ったのに……」

「そして、絶対に行かなきゃいけないって言ったでしょ? 諦めが悪いみたいね、冬花くん」

「うっ……わかったわかった。そこまで言うなら、ご馳走楽しみにしておく」

「うん。楽しみにしてて、へへっ」


 そんなわけで、日曜に会う約束をした。その夜遅く、彼女から待ち合わせ場所と時間についてのメッセージが届いた。


 そして予定通り、冬花は約束の日時に到着した。


「こんにちは、冬花くん。ごめん、待ってた?」

「ああ、待ってたけど大丈夫。遅れたわけじゃないし」

「もう、そこは「いや、待ってない」って言うべきよ。 誰かと一緒に外出する時の基本中の基本よ、冬花くん。」

「集合場所が俺の家んだ、待ってる決まっているだろう!」

「あはは、確かに。そうなるね」


 そう。行き先近くのどこかで待ち合わせる代わりに、冬花は俺のアパートまで迎えに来るって提案したんだ。だkら、彼女が来るまで待つしかなかった。


 彼女がドアベルを鳴らした時、声を聞くまで誰だか分からなかった。彼女がマスクをしている理由は理解できる。でも普段と違うのはそれだけじゃない。


 無地の白いブラウスに、少し大きめの水色のカーディガン。それに青いミディスカートを合わせていた。


 ごく普通のシンプルなコーディネートだが、冬花ほどの情勢が着ると華麗な美しさがむしろ際立つ。控えめな服装との対比が引き立てているのだ。マスクをしていても隠せないものだった。


 だがそれは彼女なら当然だ。予想外だったのは、髪型が変わっていたことだ。


 たしか、ハーフアップというのか……両サイドの髪を後ろでポニーテールのように結んでいる。普段は長い髪に隠れている耳と首筋が露わになっている。


 端的に言うと――


 本当……不公平だこいつ。


「それじゃ、行こうか、冬花くん?」

「……あ、ああ。うん、行こう」

「ん? どうしたの、冬花くん?」彼女は首をかしげながら少し身を乗り出して尋ねた。


 普段着姿の女の子を見て呆然とする男子。それに気づいた女の子が「どうしたの?」と聞く。こういう状況の流れはわかるだろう?


 しかも、なんてあざといポーズなんだ。こんな女子がこんなポーズを取ったら、到底耐えられるわけがない。冷静さを失い、彼女に見とれてしまったことを自爆に決まっている。


 厄介なのは、冬花の場合、これがわざとなのかどうか全く見分けがつかないことだ。


 しかし幸いなことに、俺は覚悟していた。


「あぁ、いや……別に。ちょうど時間通りに来たなと思ってただけ。もっと早く来るかと思ってた」

「ああ。もちろん準備は早めにしたんだけど、渋滞に巻き込まれちゃって。通った辺りで道路工事でもしてたみたい」

「あ、そうなんだ」


 ドアに鍵をかけて、振り返って彼女に向き直った。


「普段とは違うけど、さすが冬花らしく、綺麗だな」

「……え? 」冬花が少し目を丸くした。

「仕事でモデルしたとき、その服着たの? 着心地良さそうでいいな」

「あぁ、うん。最近提案されたコーデの一つなんだ。春になったばかりだけど、最近はちょっと暑いから」

「モデルだけあって、すごく似合ってるな」

「……ありがとう、冬花くん」


 そう。どうせ照れるなら、男らしくストレートに言った方がいい。こっちの方が精神的に疲れにくい。


 冬花は少し驚いた様子だった。直接褒められるとは思っていなかっただろう。でも、照れる様子は微塵も見せず、ただ俺に微笑んだ。まあ、当然か。彼女なら褒められることに慣れているはずだ。


 ほら? 気まずがってごまかしてたら、結局俺だけが恥ずかしい思いをするだけだ。正直になるのは捨てたもんじゃないな。


 降りるためにエレベーターに乗ると、隣に立つ彼女を思わずもう一度見てしまった。


「ん?」 冬花は気づいてこちらを振り向き、微笑んだ。

「いや……その……気になって。ピアスしてるんだ」右耳につけた片耳のピアスを見ながら言った。

「あぁ、うん。コーディネートによってはピアスが必要なの。クリップタイプもあるけど、制限なくつけられるのが助かるから」

「ふむ、見てもいい?」

「ん……? どうぞ?」


 なぜ疑問形で返答したのか分からないが、許可されたと受け取った。そこで、俺は彼女のピアスに向かって手を伸ばした。


「……ぇ?」


 そして、フックで留まっている耳たぶに触れながら、ゆっくりと持ち上げた。誤って彼女を傷つけたりしたくないから、留め具の部分に触れている間は、ピアスがぶら下がったままにしておきたくなかったんだ。


 小さな穴を確認しようと少し身を乗り出し、周囲をそっと触れた。


 ふぅ……耳に穴を開けてピアスを付けるって、こういう感じなんだな。


 好奇心で観察しながらそう思った。


「……冬花くん?」

「あっ、ごめん。痛かった?」

「いや……別に、痛くはない、けど……」

「ああ、よかった」


 好奇心が満たされた後、彼女のピアスをじっくり眺めた。シンプルな小さな白い星。でも黒髪とのコントラストが、彼女の容姿をとても引き立てていた。


「本当、すごく似合ってる」


 本心ではあるけど、だんだん気まずくなってきたな……この辺で止めておこう。


 男としてやるべきことはやったし、彼女もきっと様々な褒め言葉を聞いているから関係ない。


 エレベーターのドアが開くと、気まずくならないよう先に降りた。


「……」

「ん?何か言った?」何か聞こえた気がして、足を止めて振り返った。

「いや。何も言ってないよ。行こう、冬花くん」そう言って彼女は俺の横を通り過ぎていった。

どもどもみんな! はじめまして! 私の作品を読んでくださり、ありがとうございます!


 この作品をブックマークして評価してくださる方々、本当にありがとう!! 私の作品に興味を持ってくださる方がいると知り、とても嬉しく、そして落ち着かない気持ちになる。


 これまで更新できずに申し訳ありません。がっかりされるかもしれませんが……この先はあまり書いていません……


 でも、次章を楽しみにしている方がいると知っているので、絶対に書き続けます!


 これまで章を公開してきたスケジュール時間内に、更新するよう努めます。


これからもよろしくお願いします!


メリークリスマスみな!

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